中国は「AIによるマインド・リーディング」で共産党員の忠誠心を測ろうとしている
中国の人工知能(AI)研究所は、AIを使用して顔の表情と脳波を読み取ることで、「思想的および政治的教育の受容レベルを識別」して、共産党員の「忠誠レベル」を評価できることを発表しました。
China uses ‘mind-reading AI’ to test loyalty of Communist Party members
https://www.telegraph.co.uk/world-news/2022/07/04/china-uses-mind-reading-ai-test-loyalty-communist-party-members/
イギリスの大手新聞社であるThe Telegraphが報じた内容によると、中国安徽(あんき)省の合肥(ごうひ)市にある合肥総合国立科学センターは2022年7月初週に、人の表情と脳波を読み取ることで思想的・政治的教育の受容レベル、すなわち共産党への忠誠心を識別することができるAI「Smart Political Education Bar」のムービーを公開したとのこと。
ムービーでは、白衣の研究者がガラス張りの施設に入り、顔認識・皮膚電気反応・脳波反応などの生体認証を受けます。これらの結果をAIが「注意力の学習」「感情の識別」のスコアとして評価し、その評価に基づいてさらなる教育のための個別の推奨事項が作成される流れになっていたそうです。The Telegraphによると、研究所が「マインド・リーディングAI技術で共産党員の忠誠心をテストできる」と主張したムービーは、中国のソーシャルメディアに公開された翌日には削除されました。
研究所は「マインド・リーディングAIはイデオロギー教育のために効率的で、柔軟性があり、効果的です」と主張しています。The Telegraphはムービーおよび研究所の主張を受けて、「マインド・リーディングAIは、思想教育を定量化し、共産党の構築のための新しい道を生み出すイノベーションとなるでしょう」と結論付けています。
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