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仮想通貨の急落で北朝鮮の保有分も価値が半分以下になり武器開発計画に影響が出るとの指摘


仮想通貨の価格が急落した影響により、仮想通貨を資金源の1つとする北朝鮮が大きな打撃を受けた可能性が指摘されています。北朝鮮は複数回に及ぶハッキングで仮想通貨を盗んでいると考えられていますが、北朝鮮が所有する仮想通貨の価値は1年間で半分以下になったと想定されます。

Crypto crash threatens North Korea's stolen funds as it ramps up weapons tests | Reuters
https://www.reuters.com/technology/crypto-crash-threatens-north-koreas-stolen-funds-it-ramps-up-weapons-tests-2022-06-28/

2022年5月頃から6月にかけて、ビットコインを含む主要な仮想通貨がさまざまな要因により大幅に価格を低下させ、投資家らに大きな痛手を与えました。この影響は仮想通貨だけでなく、仮想通貨による商品取引を行うことを決めた企業などにも及んでおり、これらの株価が一時低下するなど、経済全体に爪痕を残しました。

アメリカのブロックチェーン分析企業であるChainalysisによると、仮想通貨を資金源の1つとしている北朝鮮も同様に影響を受けた可能性があるとのこと。北朝鮮が保有するロンダリングされていない仮想通貨を以前から監視していたChainalysisは、2022年初頭に1億7000万ドル(約232億円)の価値があった仮想通貨が、半年で6500万ドル(約89億円)にまで下がったと報告しました。


北朝鮮は近年サイバー攻撃を加速させ、仮想通貨の盗難を次々と実施しています。北朝鮮は2017年から2021年にかけて、合計49回のハッキングにより仮想通貨を盗み出したとChainalysisは分析していますが、それらすべてが大きく暴落し、中には過去数週間で80%以上価値を失ったものもあると報告されています。

しかし北朝鮮によるサイバー攻撃の脅威は依然として大きく、北朝鮮が2022年に仮想通貨関連の犯罪を最も多く引き起こした国と認定されるなど、その影響は今後も加速するものとみられています。2022年6月には、北朝鮮のハッカー集団「Lazarus」が各トークンの移転を容易にするホライゾン・ブリッジと呼ばれるシステムを悪用し、1億ドル(約137億円)近くを盗み出したとも報告されました。仮想通貨の価格急落とLazarusによるハッキングについて、北朝鮮はどちらも事実ではないと否定していると報じられています。


なお、ロイター通信は「韓国政府筋が、仮想通貨の急落は武器開発計画に影響を与える可能性があると伝えた」と記し、経済状況が大幅に悪化する中、北朝鮮の軍拡や、新たなサイバー攻撃への投資活動が勢いを失った可能性を指摘しました。

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in Posted by log1p_kr

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