中国の巨大電波望遠鏡で「宇宙人の痕跡と疑われる信号」が検出される
2022年6月に日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰ったサンプルにアミノ酸が含まれていたことが報告され、生命の起源が宇宙にあることを示す証拠になり得るとして大きな話題となっています。そんな中、北京師範大学の研究チームが巨大電波望遠鏡「500メートル球面電波望遠鏡(FAST)」で「地球外文明の痕跡と疑われる信号」を検出したことを発表しました。
搜寻地外文明,“中国天眼”发现可疑信号
https://mp.weixin.qq.com/s/BtLLCb0GlPxjmhbAz5pUOw
China detects possible ‘extraterrestrial civilizations;’ state media reports | KXAN Austin
https://www.kxan.com/news/china-detects-possible-extraterrestrial-civilizations-state-media-reports/
FASTは中国で2011年に建設が始まり2016年から稼働している電波望遠鏡です。FASTの鏡面の直径は500mにおよび、建設当時は世界最大の電波望遠鏡として巨大さと探索性能の高さがアピールされていました。そんなFASTは主要ミッションの1つとして「地球外文明による星間通信の検出」に取り組んでおり、地球外文明の痕跡を発見することが期待されていました。
宇宙人探索を加速させる世界最大500メートル電波望遠鏡「FAST」が中国で稼働を開始 - GIGAZINE
そして、2022年6月14日に北京師範大学の研究チームがFASTで観測したデータの中から「地球外文明の痕跡と疑わしい信号」を検出したことを発表しました。ただし、研究チームは検出した信号について「地球外文明の痕跡と疑わしい信号は何らかの無線通信によって生じたノイズの可能性も非常に高いです。このため、信号の精査を続ける必要がありますが、精査には長い時間が必要です」と語っています。
中国の科学メディア「科技日報」によると、研究チームは2020年にも「地球外文明の痕跡と疑わしい信号」の検出を発表していたとのこと。科技日報はFASTには「観測可能範囲が広い」「感度が高い」といった特徴があるため、地球外文明による通信を検出することに適していると指摘しています。
なお、FASTの建設以前に世界最大の電波望遠鏡として稼働していた「アレシボ天文台」では1974年に地球外文明へ向けたメッセージ「アレシボ・メッセージ」が送信されるなど地球外文明探索への取り組みが行われていましたが、アレシボ天文台は2020年に度重なる事故によって崩壊してしまいました。科技日報は「アレシボ天文台が崩壊した今、FASTが地球外文明探索の旗手となります」とFASTへの期待を語っています。
「アレシボ天文台」の世界最大級の電波望遠鏡が3カ月で2度の大事故を起こして解体されることに - GIGAZINE
・関連記事
いまだに論争が続いている未確認の「地球外生命体の証拠」5選 - GIGAZINE
中国が宇宙人発見を目指す世界最大の望遠鏡、責任者を募集するも応募者ゼロ - GIGAZINE
アレシボ天文台の900トン超の受信機が落下して主鏡を粉砕 - GIGAZINE
世界最大級の電波望遠鏡でわずか3カ月に2度の大事故が発生 - GIGAZINE
世界最大級の電波望遠鏡が原因不明の事故で崩壊して稼働停止 - GIGAZINE
世界最大級の電波望遠鏡を持つ「アレシボ天文台」が崩壊する瞬間の映像が公開される - GIGAZINE
・関連コンテンツ