非対応のはずのPCに「Windows 11のインストール推奨画面」が表示されたという報告が大量に寄せられる

2021年10月に正式版が公開された「Windows 11」は、最小システム要件の1つに「TPM2.0への対応」を含んでおり、TPM2.0に対応していないPCには通常の手法ではWindows 11をインストールすることができません。ところが、TPM2.0に対応していないPCでも「Windows 11へのアップデートを推奨する画面」が表示されたという報告が複数のユーザーから寄せられています。

Windows 11 update accidentally brings the OS to older machines | TechRadar
https://www.techradar.com/news/windows-11-update-accidentally-brings-the-os-to-older-machines

Windows 11のインストールに必須とされているTPM2.0はチップセットやCPUに搭載されているセキュリティチップで、攻撃者によるアクセスやファイル改ざんからマシンをハードウェアレベルで保護するものです。使用中のPCがTPM2.0に対応していない場合、他の要件(ストレージ容量やメモリ容量など)を満たしていても通常の手法ではWindows 11をインストールすることができません。

しかし、Redditユーザーのhbarcellos氏は、これまでWindows 11のインストールが推奨されていなかったPCにWindows 11のインストールを促すメッセージが表示されたことを2022年6月8日に報告しました。hbarcellos氏のPCにはSkylake世代のIntel製CPUが搭載されているとのこと。Skylake世代のCPUはモデルによってはTPM2.0に対応していないため、文面から察するにhbarcellos氏のPCはTPM2.0に対応していないもののWindows 11のインストールが推奨されるようになったようです。


hbarcellos氏の投稿には「TPM2.0に対応していないPCにWindows 11のインストールを推奨する画面が表示された」という同様の報告が多数寄せられました。例えば、AceRimmer412氏はTPM2.0に対応していないCPU「Core i5-7200U」を搭載したPCにWindows 11のインストールを推奨する画面が表示されたことを示すスクリーンショットを投稿しています。なお、AceRimmer412氏はプレビュー版のWindowsを試用できる「Windows Insider Program」に参加しているとのこと。

上記の報告から、MicrosoftがWindows 11の要件を変更した可能性がささやかれましたが、AceRimmer412と同じ世代のCPU「Core i7-7500U」を搭載したPCを使っているものの、Windows 11は依然として非推奨のままだと報告するユーザーも登場しており、Windows 11の要件に関して多様な臆測が飛び交うこととなりました。


上記のRedditにおける報告と同様に、TwitterにもWindows Insider Programの参加者から「TPM2.0非対応CPUを使っているのにWindows 11のインストールを推奨する画面が表示された」という旨の投稿が寄せられました。ところが、このツイートに対してWindows Insider Programの管理チームは「これはバグであり、現在調査中です」と返信しました。

続けて、管理チームは「(Windows 11の)要件は変更されていません」と明言。つまり、TPM 2.0非搭載PCにWindows 11のインストールを推奨する画面が表示されたのはバグに過ぎず、記事作成時点ではTPM2.0非搭載PCの正式サポートは計画されていないようです。