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音楽ファイルに適用された電子透かしがノイズを生み出している


インターネット上で配信されているムービーや電子書籍には違法コピーを防止するために電子的な透かし(ウォーターマーク)が埋め込まれていることがあります。ウォーターマークは音楽ストリーミングサービスでも利用されていますが、Googleの社員でYouTubeの開発に携わっているMatt Montag氏が「ウォーターマークがノイズを生み出している」と指摘しています。

Universal's Audible Watermark | Matt Montag
https://www.mattmontag.com/music/universals-audible-watermark

Montag氏は2011年に「Spotify上の複数のアルバムで奇妙なノイズが聞こえる」という現象を発見しました。Montag氏はノイズの原因は「Spotifyで使われている圧縮アルゴリズム」にあると考えていましたが、分析を進めた結果「オーディオファイルに施されたウォーターマーク」がノイズの原因であることが判明しました。

Montag氏はノイズが顕著な例としてアメリカの人気ロックバンドである3 Doors Downの楽曲「When You're Young」を挙げています。以下の画像をクリックすると、When You're Youngの冒頭部分のノイズの含まれないバージョンを確認できます。


そして、以下がSpotifyで配信されているWhen You're Youngの冒頭部分です。


両者の違いが分かりやすいように差分を抜き出したものが以下。


Montag氏によると、問題のノイズはスペクトル拡散型電子透かしを適用した音声ファイルに生じるもので、ウォーターマークによって1khz~3.6khzという人間の耳で聞くことが可能な音域のノイズが生じているとのこと。

上記のサンプル音声を聞いて分かる通り、ウォーターマークよって生じたノイズは聞き分けるのが困難です。それでも、Montag氏はピアノ曲やクラシック音楽などの1khz~3.6khzの音域を多用する音源ではノイズが目立つ傾向にあると指摘し、「ウォーターマークに本質的な問題があるわけではありませんが、音楽制作に関わる人々の努力を考えると(ノイズが発生することは)残念です」と述べています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1o_hf

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