中国政府が3兆円規模に成長したライブストリーミング業界に新たな規制を計画か
ゲームのプレイや歌、雑談などの実況配信をさまざまなプラットフォームで行うライブストリーミング業界は、すでに中国では300億ドル(約3兆6000億円)規模にまで急成長していますが、中国当局がこのライブストリーミング業界に新たな規制を設けようとしていると報じられています。
China Plans New Restrictions in Its Booming Live-Streaming Sector - WSJ
https://www.wsj.com/articles/china-plans-new-restrictions-in-its-booming-live-streaming-sector-11648603781
China set to hammer its $30 billion livestreaming industry with new restrictions | TechSpot
https://www.techspot.com/news/93981-china-set-hammer-30-billion-livestreaming-industry-new.html
中国国営のインターネットネットワーク情報センターによれば、中国のインターネットユーザーのおよそ70%がライブストリーミングサービスを利用した経験があるとのことで、2021年におけるライブストリーミングの総視聴者数はのべ7億人以上にのぼる模様。
配信者は企業からの案件として製品やサービスを紹介して対価を受け取る形でお金を稼ぐほか、配信プラットフォーム上で視聴者から受け取ることができる投げ銭でもお金を稼ぐことができます。特に人気配信者になれば、投げ銭は1日で数百万円に到達することもあります。
一方、中国ではインターネットが厳しく検閲され、規制されています。また、ゲームについても近年規制が厳しくなっており、「血」「死体」「麻雀」「ポーカー」「ポルノ」などの表現が禁止されたり、実名を入力しなければゲームをプレイできなくされたりしています。さらに、2021年8月には「18歳未満は週3時間以上のオンラインゲームのプレイを禁じる」という規則が設けられました。
「週3時間以上のオンラインゲームを禁止」する規則が登場、ゲームが許されるのは1日1時間×3日のみ - GIGAZINE
そして、中国政府は、インターネットユーザーが配信者に渡せる投げ銭の金額に規制を設けようとしていると、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じています。この規制についてはまだ議論中とのことですが、配信者が受け取れる投げ銭を1日当たり1万元(約19万円)に設定することが検討されているそうです。
匿名の情報提供者はウォール・ストリート・ジャーナルに対して、「規制当局は『ライブストリーミングは儲かる』という言葉に誘惑された若者が、ライブストリーミングの有名人になることを熱望することを懸念している。これは当局が求める価値観に反している」と述べています。
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