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実名を入力しないとゲームができない「実名検証システム」が2020年9月から中国でスタート


2020年9月から中国で、若者によるゲームのやりすぎを規制することなどを目的に、実名でログインしなければゲームをプレイできない「実名検証システム」の運用がスタートすると報じられています。

我国网络游戏实名认证系统有望于9月前上线
http://gx.people.com.cn/n2/2020/0731/c229247-34196539.html

China’s real name verification system for games to launch nationwide by September | South China Morning Post
https://www.scmp.com/abacus/games/article/3095509/chinas-real-name-verification-system-games-launch-nationwide-september

中国の国営メディア・人民網は7月31日に、「中国国際デジタルインタラクティブエンターテイメント展2020で、若者がゲームにのめり込みすぎるのを防ぐための『実名検証システム』の導入が進められていることが発表されました。このシステムは、9月までに開始される予定です」と報じました。

人民網の取材を受けた共産党中央広報局のFeng Shixin氏によると、実名検証システムの導入により、中国のプレイヤーは国民に割り当てられているID番号と照合可能な実名を入力しなければゲームが遊べないようになるとのこと。中国ではすでに、国内最大手のゲーム企業であるTencentとNetEaseが独自に実名制を導入していますが、実名検証システムの施行によりほかのゲーム企業も実名制の導入を余儀なくされると見られています。


また、Feng氏はイベントの中で「規制当局は既にゲームの検査に着手しており、今後さらに検査を行う予定です」と話しました。2020年7月には、「Appleが中国のApp Storeで、過去数年にわたり無許可で配信されてきたゲームを凍結した」ことがニュースになったほか、8月にはついに「無許可のゲームやアプリが3万件近く中国のApp Storeから削除された」ことが明らかになっており、今後ゲームをめぐる中国の監視は一層厳格化していくことが予想されます。

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実名検証システムが施行される前から、中国ではさまざまな形でゲームが規制されていますが、中国の子どもたちはあの手この手でそうした規制をかいくぐっています。香港の日刊英字紙South China Morning Postによると、中国の子どもは偽のIDを使用したり、ゲームが遊べるように設定されたスマートフォンを貸し出すカフェに出入りしたりしてゲームを楽しんでいるほか、中には喉を手でおさえてしゃがれ声を出し、祖父になりすました電話をかけてゲーム会社のサポートセンターをだましてしまう演技派の子どもまでいるとのこと。

ゲームを規制したい大人と、ゲームを好きなだけプレイしたい子どものいたちごっこが繰り広げられる中で導入される新システムについて、South China Morning Postは「9月に導入される実名検証システムにより、子どもたちはさらに革新的な奇策を編み出さなければならないかもしれません」とコメントしました。

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in ゲーム, Posted by log1l_ks

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