Appleが独自の金融サービス用システムを構築中という報道、ゴールドマン・サックスからの脱却が目標か
経済紙大手のBloombergが「Appleが融資リスク評価や不正分析、信用調査などの独自テクノロジー&インフラストラクチャを構築中」と新たに報じました。この「ブレイクアウト(脱出)」と名付けられたプロジェクトは、Apple Cardで提携しているゴールドマン・サックスなどの金融企業から脱却し、独自の金融サービスを提供することが目標とのことです。
Apple (AAPL) Working to Bring Financial Services Tasks In-House - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-30/apple-is-working-on-project-to-bring-financial-services-in-house
Apple Developing In-House Payment Processing Technology for Future Finance Products - MacRumors
https://www.macrumors.com/2022/03/30/apple-in-house-payment-processing/
Apple is building its own payments tech so it can be less reliant on partners - Protocol
https://www.protocol.com/bulletins/apple-payments-fintech-finance
Apple plans to build its own financial infrastructure for payments and lending | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/03/apple-plans-to-build-its-own-financial-infrastructure-for-payments-and-lending/
Bloombergによると、Appleが開発しているのは、融資のリスク評価・不正調査・信用情報調査・紛争解決・利息計算・資産換算・取引承認・信用情報機関に対するデータ報告・信用限度額の引き上げなどの金融サービス系業務に関する各種システムやインフラストラクチャなど。2022年3月時点ではAppleは自社製クレジットカードの「Apple Card」に関して金融大手のゴールドマン・サックスと、アメリカで提供されている分割払いプラン「iPhone Upgrade Program」で地銀大手のCitizensと提携しており、「ブレイクアウト(脱出)」と名付けられた今回のプロジェクトは将来的にこうした金融企業との提携からの脱却を図るためのものだと報じられています。
Apple Cardを例にとると、トランザクション情報を送信して銀行からの承認を受ける部分は「Core Card」というシステムを使っており、融資やクレジットチェック、信用調査、取引・支払履歴の処理はゴールドマン・サックスが行っているとのこと。今回の「ブレイクアウト」は、社外システムに任せている必要な処理をできる限り自社でまかなえるようにすることが目標というわけです。
Bloombergによると、2022年中の登場が予想されている後払いサービス「Apple Pay Later」が、ブレイクアウトのシステムを最初に活用するサービスとのこと。ただし返済期間が長期にわたる場合は、ゴールドマン・サックスが担当するそうです。
Apple Payで購入したものを分割払いに変更できる「Apple Pay Later」が計画中 - GIGAZINE
また、計画中と報じられた「Apple製ハードウェアのサブスク型販売プラン」についてもブレイクアウトのシステムを活用する可能性があるとのこと。
Appleが「iPhoneのサブスク販売プラン」を計画中という報道 - GIGAZINE
Bloombergはブレイクアウトの進捗について「いくつかのハードルに直面している」と言及。最悪の場合では、計画の延期や見直しもあり得るとのことです。
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