遠紫外線ライトで屋内の空中微生物レベルを98%も下げられることが実証される
by George Redgrave
遠紫外線ライトで、屋内の空気中の微生物レベルを5分足らずで98%以上減少させられることを研究者が実証しました。研究に携わった科学者は、人々が集まる場所で技術を活用することで、次の潜在的なパンデミックを抑えることができると語っています。
Far-UVC (222 nm) efficiently inactivates an airborne pathogen in a room-sized chamber | Scientific Reports
https://doi.org/10.1038/s41598-022-08462-z
New Type of Ultraviolet Light Makes Indoor Air as Safe as Outdoors | Columbia University Irving Medical Center
https://www.cuimc.columbia.edu/news/new-type-ultraviolet-light-makes-indoor-air-safe-outdoors
New Kind of Ultraviolet Light Safely Kills Airborne Pathogens Indoors, Scientists Say
https://www.sciencealert.com/new-kind-of-ultraviolet-light-safely-kills-airborne-pathogens-indoors-scientists-say
コロンビア大学のデイビッド・ブレンナー博士らは「有害な細菌を殺す能力を持ちつつ人体には無害」という波長を発見。その後、新型コロナウイルスのパンデミックの中で、遠紫外線ライトによる空気中の病原体を破壊する研究を進めてきました。
紫外線ランプで空気中の新型コロナウイルスを破壊する研究が進行中、研究者は「状況を大きく変える」と自信 - GIGAZINE
今回の研究はセントアンドリュース大学やリーズ大学、ダンディー大学の研究者との共同研究で、一般的な家庭と同じぐらいの換気能力の部屋に、黄色ブドウ球菌の含まれるエアロゾルミストを噴霧器で放出し、室内の微生物濃度が安定したところで市販の遠紫外線ライトを点灯しました。
すると、わずか5分で空気中の微生物は98%が不活性化されました。エアロゾルミストの噴霧を続けたとしても、微生物濃度の低さは保たれたとのこと。
研究の筆頭著者でセントアンドリュース大学物理学・天文学講師のケネス・ウッド博士は、「感染防止の観点で、遠紫外線ライトは、爽やかな日にセントアンドリュースのゴルフコースにいるのと同じぐらい屋内を安全にすることができます」と述べました。
ブレンナー博士は「今回用いた遠紫外線C波技術の特に魅力的な点は、これまでのウイルスに対する効力を維持しつつ、将来出現し得る新型コロナウイルスの変異株や、まだ見ぬ新たな感染性ウイルスも同様に不活性化できることです」と語っています。
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