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古代や中世の「服」は自動車並みの価格で取引されていた


現代日本で服を買う場合、安いTシャツなどは数百円で手に入れることができます。しかし、古代や中世のような大量生産技術のなかった時代には、服は高価な品物でした。そんな古代・中世における服の価格について、歴史関連ブログのBook and Swordが解説しています。

How Much Did a Shirt Really Cost in the Middle Ages? – Book and Sword
https://www.bookandsword.com/2017/12/09/how-much-did-a-shirt-really-cost-in-the-middle-ages/

How Much did a Tunic Cost in the Roman Empire? – Book and Sword
https://www.bookandsword.com/2021/05/08/how-much-did-a-tunic-cost-in-the-roman-empire/

古い時代を扱った物語では、盗賊が「身ぐるみ全部置いていけ!」といったように、衣服を置いていくことを要求するシーンがよく描かれます。このようなシチュエーションは近代になって考え出されたものではなく、1300年代に記された物語集「デカメロン」の挿絵にも「服を脱いで盗賊に渡すシーン」が描かれており、中世には衣服が高い価値を持つ物として扱われていたことが分かります。


Book and Swordによると、西暦301年のローマ帝国における標準的なチュニックの価格は、労働者の6~12日間分の収入に相当したとのこと。さらに、高級なチュニックは標準的なチュニックの最大14倍の価格で取引されていたとされています。Book and Swordは現代の通貨への換算価格を記していませんが、コミュニティサイト・Hacker Newsにおける議論では、「現代のアメリカの賃金に換算すると標準的なチュニックは500ドル~1500ドル(約5万8000円~17万4000円)で、高級なチュニックは約7000ドル~2万1000ドル(約81万1000円~243万円)」と見積もられています。

また、1500年代前半に在位したイングランド王・ヘンリー8世の帳簿から、ヘンリー8世に仕えた使用人のシャツの価格が14~21ペンスであったことが明らかになっています。これは、使用人の3日~10日分の収入に値し、現代の通貨に換算すると240ドル~800ドル(約2万7000円~約9万3000円)に相当するとのこと。ローマ帝国の時代と比べて半分近くの価格となっていますが、それでも現代の一般的なシャツと比べてかなり高額であることが分かります。


上記のように、20世紀以前には服が非常に高価であったため、貧しい人々は1年に1着しか服を買えず、夏服を用意できずに暑い日でも防寒着を着用する人もいたとのこと。また、Hacker Newsには「当時の人々が服を破るのは、自動車を燃やすようなものだったのでしょう」という意見も投稿されています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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