レビュー

謎が謎を呼ぶカードゲーム×脱出ゲームな異色作「Inscryption」プレイレビュー、独特すぎる世界観と引き込まれるストーリー展開が圧倒的な怪作


ローグライク系カードゲームと「脱出ゲーム」を組み合わせたという異色の話題作が「Inscryption」です。カードゲームと脱出ゲームというと根本的にジャンルが異なるのでどう考えても1つのゲームになりそうもないような気がしますが、謎の男に監禁されてカードゲームバトルを強要される……という筋書きが異なるジャンルの融合を見事に実現している上、「どういう経緯で監禁されたのか?」「監禁の目的は?」「このカードゲームはなんなのか?」などなど、グイグイと引き込まれるような展開が特徴です。

Steam:Inscryption
https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/

物語は謎の男からカードゲームを強要されるシーンから始まります。


このカードゲームは、互いに4列の場を所持しており……


各カードには、攻撃力と体力と召喚コストが設定されています。


例えばオコジョの召喚コストである「血:1」の場合は、コストゼロで出せる「リス」など、すでに場に存在するカードを1体生け贄にして召喚します。


そしてターンエンド時に、自分の場にいる各キャラクターが前方に向けて攻撃。正面にカードが存在する場合はそのカードにダメージを与え、カードが存在しない場合はプレイヤーにダメージを与えられるという基本的なルールです。


マジックカードやトラップカードの類いは存在せず、全てがモンスターカードというシンプルな構成ですが、中には特殊能力を持つモンスターカードも存在します。1ターン後に攻撃力と体力が強力な上位のカードに成長する特殊能力を持つ「幼いオオカミ」


攻撃力と体力が低いものの相手モンスターを体力によらず即死させるという特殊能力を持つ「クサリヘビ」


コストとして生け贄に捧げたとしても場から除去されない「命が尽きることのないネコ」


正面だけでなく左斜め前と右斜め前の三方向に攻撃できる「マンティスゴッド」などなど、多彩な特殊能力が存在します。


こうしたカードを場に出して相手にダメージを与え続ければ勝利しますが、勝利条件もちょっと特殊。このゲームは「規定のライフがなくなったら終了」ではなく、「プレイヤーに蓄積されたダメージの差が5ポイントになったら終了」となっています。つまり、相手がこちらに与えたダメージが5ポイントならば、こちらが相手に与えたダメージが10ポイントに達したら終了ということ。ライフを一方的に減らされて敗色濃厚な状態でも、相手に大ダメージを与えれば一気に劣勢を挽回できるという仕組みです。なお、ライフの差は場の横に置かれた天秤で示されています。


このカードゲームをプレイしていくうちに気がつくのが、「こちらと相手は対等ではない」という点。プレイヤーは自身を監禁している謎の人物と1対1で勝負し続けており、プレイヤー自身は上述のルールにのっとってカードをプレイします。しかし、そもそもプレイヤー側の場は1行しか存在しませんが、相手側の場は前と後ろの2行が存在し、後ろの行に出されたカードは相手のターン開始時に前に出てくるという仕様。


相手のカードには召喚コストも存在せず、強力なカードをバンバン並べてきます。


主人公が入手できないような専用カードを使ってきたり、こちらの場に存在するカードを無条件で除去してくるなどの荒技を使ったりしてくることも。というわけで、主人公はカードゲームをプレイしているわけですが、その本質は「自分ルールのゲームを強要してくる謎の監禁者に付き合わされている」という構造なわけです。


この謎の監禁者「レシー」のゲームに対する執着のすさまじさは随所に現れています。ゲームプレイのメインはカードゲームなわけですが、「Slay The Spire」ライクなあみだくじのように入り乱れるルートから1本のルートを選び取って進行していくというパートがあり、カードバトル自体も対応するマスに止まった場合に発生します。


そしてカードバトル以外にも、2つのカードを合成して能力を強化するといったイベントマスがさまざま存在するのですが、レシーは対応するイベントマスに応じてマスクを被ったり小物を取り出してきたりして怪演を見せてくれます。


本作は「謎の人物に監禁されてゲームを強要されている」という一種のシミュレーションになっており、そもそもテーブルから立ち上がって部屋をウロウロすることすら可能です。


部屋には地球儀・動物の像・燭台などのさまざまなオブジェクトや……


見るからに怪しい金庫などがあり、このあたりは脱出ゲームっぽい感じ。


「金庫などを触っていて怒られないのか?」という当然の疑問については、レシーは「時々は席を立つほうが血行に良い」と発言するなど、主人公に対してある程度の自由を認めている様子。このあたりの言動もレシーの不思議な魅力につながっており、主人公の置かれた奇妙な状況を受け入れやすくしています。


この状況を受け入れたときに湧き出てくるのが、「どういう経緯で監禁されたのか?」「監禁の目的は?」「このカードゲームはなんなのか?」というさまざまな疑問です。カードの中には主人公に語りかけてくるものが存在するなど、プレイするにつれて主人公が閉じ込められている世界の異質さはどんどんと増していきます。


レシーが支配するカードゲームでレシーを打ち破ると何が起こるのか?


打ち破った果てに広がる、次元を超えた世界の存在とは……?


単なるカードゲームや脱出ゲームを超えた体験が楽しめる異色作「Inscryption」は、Steamで税込2050円で購入可能です。

Steam:Inscryption
https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1k_iy

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