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「NFT」をゲーマーは嫌うが音楽ファンは好む、一体なぜ?


画像・動画・音声などのデジタルファイルは簡単に複製できるものですが、こうしたデジタルファイルにブロックチェーン技術を用いて一意性を付与した非代替性トークン(NFT)がバブルと呼ばれるほどの人気の高まりを見せています。こうしたNFTに関する「ゲーマーはNFTを嫌うが音楽ファンはNFTを好む」という傾向について、IT系ニュースサイトのPlatformerが論じています。

Why gamers hate crypto, and music fans don't
https://www.platformer.news/p/why-gamers-hate-crypto-and-music

デジタル概念に一意性を付与して美術品のようにアイテム化するNFTはバブルと呼ばれるほどの人気の高まりを示しており、取引が急増しだした2021年3月の時点ですでに75億円で落札されるNFTアートも登場しています。

1枚のNFTアートが史上最高額の75億円で落札される - GIGAZINE

by beeple

人気の高まりからNFTを導入しようとする企業も増えており、NFT市場は活発化しているという状況ですが、NFTに関する嗜好についてはゲーマーと音楽ファンで大きく異なるとPlatformerは主張します。ゲーマーについてはNFTを導入しようとしたゲーム関連企業が「炎上」するという事例には枚挙にいとまが無く、直近でもUbisoftが導入したNFT取引プラットフォーム「Quartz」に批判が殺到したり、12年ぶりに新作がリリースされるというオープンワールドFPS「S.T.A.L.K.E.R.」がNFTを導入しようとしてファンから猛抗議を受けたり、DiscordがNFTの導入をほのめかして創業者が釈明せざるを得ない事態に陥ったり、人気FPSのValorantの公式Twitterが「美術館でNFTを鑑賞している自社キャラクター」のイラストを投稿して「NFTとは知らなかった」と釈明したりと、「ゲーム関連企業がNFTを導入しようとする/ほのめかす、そしてユーザーからの反発を受けて撤回/謝罪する」という流れが一つのテンプレートと化しています。

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対する音楽関連はというと、「EGOT」と呼ばれるアカデミー賞・エミー賞・グラミー賞・トニー賞の4冠を達成したことで知られるR&B界の雄、ジョン・レジェンド氏が2022年2月2日にTwitchの共同創業者のケビン・リン氏や台湾の定額制音楽配信サービスKKBOXのクリス・リンCEOらと手を組み、新たにNFT取引プラットフォーム「Our Song」を立ち上げましたが、総じて好意的な反応が多いとのこと。

Excited to be a part of this! @OurSong allows artists of all levels to connect and monetize in the NFT space. https://t.co/KrU5yhqvFZ

— John Legend (@johnlegend)


そのほか、世界第2位のライブ系プロモーターであるアンシュッツ・エンターテイメント・グループがポスターやフォトブックなどの物理アイテムと交換できるタイプを一部含むNFTに関するオークションを開催すると発表しましたが、否定的なコメントはゲーム関連に比べればほんのわずかで、Platformerは「大多数の反応は無関心と熱狂の間のどこか」と論じています。

Introducing Coachella Collectibles NFTs ???? Lifetime festival passes, digital collectibles redeemable for physical items & more available Friday at 10am PT at https://t.co/D8v4cD04wc

Explore our debut collections???? pic.twitter.com/eEPdVvxPhg

— Coachella (@coachella)


そのため、ゲーマーと音楽ファンでNFTに対する反応には隔たりがあるというのがPlatformerの主張です。この主張について、Platformerは以下の理由がゲーマーと音楽ファンの反応の隔たりを生んでいると分析しています。

・ゲーム関連のNFTは基本的にはゲームそのものとは無関係で、ゲームの面白さと関連していないため。
・音楽系のNFTの購入費用はアーティスト自身が大部分を受け取れるため、NFTを購入するという行為がアーティストの応援につながるが、ゲームデベロッパーは基本的に大企業かつファンとの関係が劣悪で、NFT導入に際して『売上がアーティストのためになる』とうそぶくことすらしないため。
・音楽におけるNFTは基本的にオプションで、購入しようが購入しなかろうが音楽そのものは楽しめるが、ゲームにおけるNFTはゲームそのものと連動しており、NFT自体がゲーム内の要素と関連付けられるケースがあるため。

実際に、ゲームキャラクターをNFTとして売買して現実世界の通貨に換金できるというゲーム「Axie Infinity」も登場しており、NFTを作中の要素に絡めた作品は今後増えていくと考えられます。これについて、Platformerは「仮想通貨関連のプロジェクトは仮想通貨を購入させて、その仮想通貨の価格をつり上げ、最終的に保有者が高値で売り抜けられるように仕向けている」と批判的な見解を述べています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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