国際通貨基金がビットコインの法定通貨化をやめるようエルサルバドルに呼びかけ
by Blockzeit CH
仮想通貨・ビットコインを2021年から法定通貨としているエルサルバドルに対し、国際通貨基金(IMF)理事会がビットコインを法定通貨から外すことを求めました。
IMF Executive Board Concludes 2021 Article IV Consultation with El Salvador
https://www.imf.org/en/News/Articles/2022/01/25/pr2213-el-salvador-imf-executive-board-concludes-2021-article-iv-consultation
Drop bitcoin as legal tender, IMF urges El Salvador
https://www.cnbc.com/2022/01/25/drop-bitcoin-as-legal-tender-imf-urges-el-salvador.html
2021年9月、エルサルバドルは世界で初めてビットコインを法定通貨として定めました。エルサルバドルでは、「アメリカに出稼ぎに行きエルサルバドルに仕送りをする」という人が多いため、ビットコインを導入することで送金のコストを減らすことができることが大きなメリットとして挙げられています。また銀行口座やクレジットカードを持たず、アメリカからの送金に依存する人も多いので、このような人々が金融サービスにアクセスできることも利点です。
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エルサルバドルでビットコインを法定通貨とすることを決めたナジブ・ブケレ大統領は、2021年11月に「ビットコインに基づいたコイン型の都市を建設する」と発表しており……
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ビットコイン価格が下落したタイミングで大量のビットコインを購入するなど、ビットコインへの傾倒をあらわにしています。
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しかし、ビットコインを法定通貨にすることについては、かねてから「マクロ経済、金融、法律上の多くの問題を提起し、非常に慎重な分析を必要とする」と指摘されていました。
そして新たに、2022年1月24日にIMF理事会がエルサルバドルと協議を行った結果、金融の安定性と完全性、消費者保護、および財務上の偶発債務に対して、ビットコインを使用することが大きなリスクになるとIMFは指摘しました。また、IMFはビットコインを法定通貨から外すことや、ビットコインを法定通貨にする法案の範囲を制限することを求めたとのこと。
IMF理事会はエルサルバドル公式のビットコインウォレット「Chivo」がデジタル決済を促進し、金融包摂に役立つ可能性があることを認めつつも、ビットコインを法定通貨とすることに対しては「厳格な規制と監視」が必要だとする見方を示しました。
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