ハードウェア

Armが6年以上かけて開発したセキュリティ向上型アーキテクチャ「CHERI」対応のボード「Morello」を発表


スマートフォンのプロセッサなどに採用されるArmアーキテクチャの開発元として知られるArmが、システムセキュリティの劇的な向上をうたうアーキテクチャ「Capability Hardware Enhanced RISC Instructions(CHERI)」を搭載したボード「Morello」と独自SoCのプロトタイプを発表しました。

Morello research program hits major milestone with hardware now available for testing – Arm®
https://www.arm.com/ja/company/news/2022/01/morello-research-program-hits-major-milestone-with-hardware-now-available-for-testing


Morello Program – Arm®
https://www.arm.com/ja/architecture/cpu/morello

Arm releases experimental CHERI-enabled Morello board as part of £187M UKRI Digital Security by Design programme | Light Blue Touchpaper
https://www.lightbluetouchpaper.org/2022/01/20/arm-releases-experimental-cheri-enabled-morello-board-as-part-of-187m-ukri-digital-security-by-design-programme/

Department of Computer Science and Technology: Capability Hardware Enhanced RISC Instructions (CHERI)
https://www.cl.cam.ac.uk/research/security/ctsrd/cheri/

ArmはMorelloについて「プロセッサをより強力に保護し、特定のセキュリティ侵害を阻止できるCPUアーキテクチャの新しい設計法に焦点が当てられたもの」と説明。Arm v8.2-Aプロセッサ、64ビットMIPS、32ビットRISC-V、64ビットRISC-Vを搭載し、従来型の命令セットアーキテクチャ(ISA)を拡張してきめ細かいメモリ保護をやスケーラブルなソフトウェアの区画化を可能にするというCHERIを組み込んだもので、より安全なコンピューティングプラットフォームの設計に役立つとのこと。


Armは2014年以来アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)や研究機関のSRIインターナショナル、ケンブリッジ大学などの支援を受けてCHERIの開発を進めており、産業規模のプロセッサ設計に力を入れてきたとのこと。Armは今回の発表を「主要なマイルストーン」と位置づけ、Morelloボードのプロトタイプを今後何百もの企業や研究機関に出荷すると述べています。


Morelloボードを受け取ったGoogle Researchのセキュリティ担当者は「コンピュータは非常に便利ですが、そのユーティリティはセキュリティとプライバシーの問題にますますさらされるようになっています。CHERIはパフォーマンスを低下させることなく、より優れた、より費用効果の高い保護を可能にします」と述べました。Armは「今後2年間はエコシステムのテストやコードの記述、重要なフィードバックの共同提供を行い、Armアーキテクチャの将来のバージョンで機能が維持されるかどうかを判断します」と述べ、継続的に開発を行う意向を表明しています。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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