サイエンス

「地球上で6度目の大量絶滅がすでに始まっている」と科学者が警告


地球ではこれまで5度にわたる大量絶滅が起きたとされており、この5度の絶滅はビッグファイブと呼ばれています。このビッグファイブに続く「6度目の大量絶滅」がすでに起きていると科学者が警告を発しています。

The Sixth Mass Extinction: fact, fiction or speculation? - Cowie - - Biological Reviews - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/brv.12816

Scientists Warn that Sixth Mass Extinction Has ‘Probably Started’
https://www.vice.com/en/article/wxdg4z/scientists-warn-that-sixth-mass-extinction-has-probably-started

大量絶滅は短時間で地球上の75%以上の種が死滅するような大災害のことを指します。そんな大量絶滅が、現在地球上で起きていると一部の科学者たちが警告しました。この地球上で起きているという6度目の大量絶滅は、人間の活動により引き起こされたものであるとされています。

ハワイ大学の太平洋生物科学研究センターのロバート・カウィー教授が率いる研究チームは、科学誌のBiological Reviews上で新しい研究論文を公開しました。この論文では「6度目の大量絶滅が陸地と淡水域で始まっている可能性が高い」と指摘されています。


研究チームの一員で、パリ国立自然史博物館の生物学者であるフィリップ・ブシェ氏とブノワ・フォンテーヌ氏は、「6度目の大量絶滅は恐らく始まっています。これを否定する人々に対抗するための議論を論文では展開しています」「6度目の大量絶滅が始まっているという説を否定することは、急速に蓄積されているデータの山を無視するようなものであり、(大量絶滅が起きているという説を)懐疑的に思う余地はもはやありません」と語りました。

研究チームは過去の膨大な研究を参照しながら、カタツムリ・アサリ・ナメクジを含む無脊椎動物に関する調査に基づき、6度目の大量絶滅が起きていると主張しています。カウィー教授は「鳥や哺乳類の絶滅については、国際自然保護連合(IUCN)が公表するレッドリストは非常に正確です。しかし、IUCNのレッドリストは動物の95%を占める昆虫やカタツムリ、クモ、甲殻類などの無脊椎動物のごく一部しか評価していません」と語り、無脊椎動物を含めると既に多くの生物が絶滅の危機に直面していると指摘。

これまでにも6度目の大量絶滅が起きているという主張は存在しましたが、IUCNのデータをベースに反論する論文もありました。しかし、カウィー氏率いる研究チームがカタツムリやナメクジの絶滅率をまとめると、1500年以降、7.5~13%もの種が絶滅した可能性が明らかになっています。カウィー氏は「肝心なのは、これらの推定が過去の数字よりもはるかに高い絶滅率を示しているということです」と語りました。

研究チームによると、地球上で起きている生物の絶滅は海よりも陸ではるかに顕著に起きているそうです。しかし、海洋生物の間でも絶滅は起きており、大陸の沿岸地域よりもハワイのような島周辺で急速に絶滅が進んでいるとのこと。


カウィー氏は「絶滅の危機に対する人間の自由放任主義的な態度は道徳的に間違ったものである」と主張しており、「この危機的状況を踏まえ、我々は何をすべきだと感じているのかについて意見を表明する義務があると感じています。私は単にデータを提示し、それで終わったと言うつもりはありません。これは重要な問題であり、この問題を解決するために何をすべきかを話し合うべきです」「我々が将来できる最も重要なことは、絶滅の危機にひんする種をできる限り多くの博物館に保存することだと思います。そうすることで、200年、300年、500年後にもこの生き物が何かを話し合うことができるようになります」と語っています。

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in サイエンス, Posted by logu_ii

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