サイエンス

霊長類にみられる同性間の性行動は進化的基盤を持つ生存戦略かもしれない

by Rob Bixby

同性間性行動(SSB)は人間以外の動物でも観察されていますが、本来子孫を残すための性行動をなぜ同性間で行うのかはわかっていません。インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが、人類以外の霊長類におけるSSBが環境的・社会的な圧力によって促進されている可能性を示唆する研究結果を発表しました。

Ecological and social pressures drive same-sex sexual behaviour in non-human primates | Nature Ecology & Evolution
https://www.nature.com/articles/s41559-025-02945-8

Same-Sex Sexual Behavior in Primates May Be an Ancient Survival Strategy : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/same-sex-sexual-behavior-in-primates-may-be-an-ancient-survival-strategy

インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームは、491種の非ヒト霊長類に関するデータを収集し、SSBの進化的起源と生態学的基盤を調査しました。


調査条件として、研究チームは霊長類の59種で記録されたSSBの発生と普及状況をまとめ、15種類の環境、生活史、および社会的特性との関連性を検証しました。また、既存の文献データに加え、プエルトリコのアカゲザルを8年間にわたって追跡した個別の研究結果なども背景情報として統合されています。

調査の結果、SSBは乾燥した環境、食物不足、高い捕食圧にさらされている種において発生の可能性が高いことが判明しました。また、雌雄の体格差が大きい種や寿命の長い種、社会構造や階層がより複雑な種でもSSBが多く見られる傾向にあったとのこと。

by Rob Bixby

詳細な分析では、環境や生活史の要因は間接的に影響するのに対し、社会的な複雑さはSSBの発生を直接的に促進していることが示されました。アカゲザルの事例では、オス同士のSSBが同盟形成を助け、結果として生殖成功率を高めることや、この行動が6%以上の割合で親から子へ遺伝し得ることが確認されています。

研究チームは、SSBが社会的な絆の強化や対立の管理、同盟の構築に用いられる柔軟な社会戦略として機能していると述べ、霊長類のSSBが深い進化の根源を持つ行動であり、生態学的、生活史的、社会的な要因の相互作用によって形作られる文脈依存的な行動であると結論付けています。


研究チームは、SSBが深い進化的根源を持つ古代の生存戦略である可能性を指摘する一方で、人類の祖先も同様の複雑な環境に直面していたと推測しています。ただし、現代の人類における性的指向や嗜好の複雑さは、今回の研究の範囲を超えた独自の側面を含んでいるため、今回の発見を「社会的な平等が同性間行動を排除する」といった誤った解釈や悪用につなげるべきではないと警告しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
オスのサルがセックスする相手はメスよりもオスの方が多いという研究結果、同性愛的行動に進化上の利点がある可能性も - GIGAZINE

なぜ同性愛は進化の過程で維持され続けたのか? - GIGAZINE

「同性愛者を生み出す特定の遺伝子は存在しない」という研究結果 - GIGAZINE

「バイセクシャルの遺伝子」を持つ異性愛者の男性はより多くの子どもを持つという研究結果 - GIGAZINE

in サイエンス,   生き物, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Same-sex sexual behavior in primates may….