6年連続で海水温の上昇が続く、1秒に広島型原爆7個を爆発させるのに匹敵する熱量増加率
2020年には「2019年の海水温はこれまで観測された中で最も高かった」という研究結果が報告されるなど、地球温暖化に伴って海水温が上昇していることが知られています。そんな中、新たに「2021年の海水温は観測史上最も高く、1秒ごとに広島型原爆を7個爆発させるのと同程度の熱を海洋が吸収している」とする研究結果が報告されました。
Another Record: Ocean Warming Continues through 2021 despite La Niña Conditions | SpringerLink
https://doi.org/10.1007/s00376-022-1461-3
Accumulated Heat in the Upper Ocean Is at Record Levels, Again!----Chinese Academy of Sciences
https://english.cas.cn/head/202201/t20220110_295786.shtml
We study ocean temperatures. The Earth just broke a heat increase record | John Abraham | The Guardian
https://www.theguardian.com/commentisfree/2022/jan/11/ocean-temperatures-earth-heat-increase-record
海水温の上昇に関する研究結果を報告したのは中国科学院大気物理研究所(IPA)に所属するLijing Cheng氏らの研究チームです。この研究チームは2020年にも「2019年の海水温が1981年から2010年の平均を約0.075度上回った」とする研究結果を報告しており、海水温を0.075度上昇させるには「毎秒5個ほどの広島型原爆を25年間休まず投下しなければならない」と述べていました。
海温が史上最高記録を更新、毎秒5個の原爆が海で爆発している計算 - GIGAZINE
そして新たに報告された研究結果では、世界全体の海水温が過去6年間上昇し続けており、2021年の水温上昇を熱量に換算すると、1年間で14000000000000000000000ジュール(140垓ジュール)のエネルギーを海洋が吸収していた計算になるとされています。140垓ジュールというエネルギーは広島型原爆を1秒当たり約7個ずつ1年間爆発させ続けるエネルギーに相当するとのこと。研究チームの一員であるケビン・トレンバース氏は「全世界で海洋の熱量が絶え間なく増加しています。これは人為的な気候変動の主要な指標といえます」と述べ、気候変動の深刻さを強調しています。
また、研究チームの一員であるジョン・エイブラハム氏は「私たちの以前の研究では、4年未満の海水温測定記録によって人為的な気候変動を検出できることが示されました。それに対して気温の記録から気候変動を検出するためには約30年分の測定結果が必要です」と述べ、海水温の測定結果が気候変動の裏付けに有用であることをアピールしています。
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