「2021年にアメリカで特許を取得した企業」で中国が大躍進
世界中の特許調査が可能となるソフトウェアおよびデータサービスを提供するIFI CLAIMS Patent Servicesが、最も多くの特許権を所有する企業・団体をまとめた「2021 Global 250」、および2021年にアメリカで特許取得時に受け取った助成金の件数を算出した「2021 Top 50 US Patent Assignees」を発表しました。
China's 2021 U.S. Patent Grants Surged, Even as Total Patent Awards Trended Downward, According to Analysis by IFI CLAIMS
https://www.prnewswire.com/news-releases/chinas-2021-us-patent-grants-surged-even-as-total-patent-awards-trended-downward-according-to-analysis-by-ifi-claims-301458038.html
Companies With Most U.S. Patents: Huawei Ranks No. 5 in Sign of Chinese Growth - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-11/huawei-ranks-no-5-in-u-s-patents-in-sign-of-chinese-growth
Huawei has 5th top U.S. patent collection despite ban - Huawei Central
https://www.huaweicentral.com/huawei-has-5th-top-u-s-patent-collection-despite-ban/
IFI CLAIMS Patent Servicesのデータによると、アメリカ特許商標庁が2021年に特許権を付与した件数は、前年比で約7%減少し32万7329件となりました。アメリカ特許商標庁が特許権を付与した件数は過去10年間で急激に減少しており、2021年はその中でも特に大きく減少しています。なお、2021年に公開された特許出願の件数は前年比約1%減の41万93件です。
2021年にアメリカ特許商標庁から特許付与された企業は、どの企業も特許取得件数が8~12%減少しています。一方で、中国企業が2021年に取得した特許の件数は前年比で10%増の2万679件です。なお、2021 Top 50 US Patent Assigneesにランクインした中国企業は、Huawei(5位)、BOE(11位)、Advanced New Technologies(43位)、Guangdong Oppo(49位)の4社です。
国別でアメリカ特許商標庁から助成金を授与された件数を分類すると、1位はアメリカの15万801件、2位は日本の4万7105件、3位は韓国の2万1264件、4位は中国の2万679件、5位はドイツの1万4663件となっており、ここでも中国が台頭。
一方、アメリカにおける知的財産分野のリーダーとなっているのはIBMで、同社は2020年に9130件、2021年に8682件の助成金を取得しています。これによりIBMは2021 Top 50 US Patent Assigneesのトップに君臨。
なお、2021年にアメリカ特許商標庁が特許を付与した分野のうち、特に付与件数が増加した分野は電気喫煙装置(40%増)、機械学習(39%増)、量子コンピューティング(36%増)、石油・ガス・水を得るための掘削関連技術(36%増)、コンピューター支援設計(31%増)、ワイヤレスネットワークプロトコル(28%増)、ディスプレイ(28%増)、荷台またはコンベヤーへの物品の保管・管理・検出関連技術(27%増)です。
世界で最も多くの特許を保有している企業はSamsungで、その総数は9万416件。2021 Global 250にランクインした企業の拠点とする国と地域を分類すると、1位がアメリカ(70社)、2位が日本(51社)、3位が中国(46社)です。また、2021 Global 250のトップ10にランクインした企業のうち中国企業は6社ですが、アメリカ企業は1社のみとなっています。加えて、全世界の特許総数の29%を中国が支配しており、以下、アメリカ(24%)、日本(19%)の順に並びます。
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