「赤いリンゴを心の中で思い浮かべて」と言われても何も視覚化できない「アファンタジア」入門ガイド

目を閉じて想像を膨らませても思い描くことができない特性は「アファンタジア」と呼ばれます。アファンタジアとは実際にどのようなものなのか、「頭の中の風景」という他人が観測できないものをどうやって他人と比較するのかなど、「アファンタジアについて知るための入門ガイド」を世界最大のアファンタジア・コミュニティであるAPHANTASIA NETWORKが公開しています。
Aphantasia Guide: Signs, Test & What To Do Next | Aphantasia Network
https://aphantasia.com/guide

アファンタジアとは頭の中で映像を思い描くことができない認知特性を指し、「イメージのない思考(image-free thinking)」とも呼ばれます。例えば、アファンタジアの人に「ビーチを想像して」と頼むと、「ビーチ」という概念は思い浮かびます。ビーチが何であるかは知っていて説明することもできますが、ビーチの光景を頭の中で「見る」ことはできません。
APHANTASIA NETWORKは、自分がアファンタジアであるかどうか判断するための簡単なテストとして、「リンゴテスト」を提案しています。やることは単純で、まずは「赤いリンゴ」を想像します。リンゴの鮮明なイメージが浮かぶ人もいれば、ぼやけたイメージが浮かぶ人もいます。中には何も見えない人もいます。この時何のイメージも思い浮かばなかった人を「アファンタジア」と呼びます。
以下は、APHANTASIA NETWORKが示した「アファンタジアの人が思い浮かべるウマ」のイメージ。映像としてではなく、どのような位置にどの部位があるかという知識や概念として理解しています。

より詳細な視覚的想像力の基準として、「VVIQ(視覚イメージの鮮明度に関する質問票)」というテストもあり、5段階で評価されます。VVIQテストはAPHANTASIA NETWORKのサイトから受けることができます。

そもそも「視覚化する」とはどういうことなのかについて、APHANTASIA NETWORKは「残像錯視」を例に挙げて説明しています。以下の画像左にある緑のリンゴを、白い中心点に注目したまま30秒間見つめ続けます。30秒たったら素早く右の白い部分に視線を移して数回まばたきをすると、赤いリンゴの残像が一瞬見えるはず。この残像錯視は知覚に関係した現象ですが、アファンタジアの人にとっては、視覚化能力を持つ人々が視覚化をどのように体験しているのかを「見る」ことができる貴重な機会となるそうです。

アファンタジアの人に限らず、視覚的創造力は人によってさまざまです。何かを想像するように言われたとき、イラストのようなシンプルなイメージを思い浮かべる人もいれば、驚くほどリアルに想像する人もいます。また、物体に限らず、人や場所、出来事、抽象的な概念にも及びます。さらに、APHANTASIA NETWORKの「Visualizing the Invisible(目に見えないものを視覚化する)」という記事によると、頭の中のイメージの鮮明さは単に明瞭さや細部の描写だけではなく、見たことのないものも視覚化できるかどうかといった点にも現れるとのこと。
アファンタジアの研究では、これまでさまざまな生理学的・行動学的なテストが行われており、鮮明なイメージを抱くと報告する人は、アファンタジアの人とは異なる反応を示すことが示されました。これらの研究結果は、実際に鮮明なイメージを見ているかどうかを証明するものではありませんが、視覚的想像力の差が何らかの明確な違いを生じさせていることを示唆しています。例えば2022年の研究では、目の瞳孔反応を見るとアファンタジアを検出できるということが示されました。
頭の中でイメージを視覚化できない「アファンタジア」の人は目を見れば分かるという研究結果 - GIGAZINE

また2025年に発表された研究では、酸素化血液の流れを追跡する機能的MRIを使用した知覚テストの結果、アファンタジアの原因は「心的イメージを生成する脳の部位が異なる」という証拠が示されました。
頭の中でイメージを思い浮かべることができない「アファンタジア」の人は脳の配線が異なることが判明 - GIGAZINE

APHANTASIA NETWORKも同様に、アファンタジアの人は頭の中でイメージを思い浮かべることを苦手としている一方で、概念的に考えることを強みとして持っていると述べています。このイメージを頭の中で描く「ビジュアライザー(視覚化型)」と概念的に考える「コンセプチュアライザー(概念化型)」の違いを理解するためのアイデアとして、APHANTASIA NETWORKは「テーブル上のボール実験」を紹介しています。
まず、「テーブルの上のボール」を想像します。そのテーブルに誰かが近づいてきて、ボールを押します。ここまで想像した後、「ボールは何色だったか」「ボールを押した人の性別や容姿はどうだったか」「ボールの大きさはどれくらいか」「テーブルの見た目はどのようなものか」「押されて動いたボールはどうなったか」といった具体的な質問に回答します。視覚化型の人は想像した内容を多く回答できますが、概念化型の人は「机の上のボールを押す人」という概念で理解しており、質問されてからそれぞれの外見的特徴を定義します。視覚的な表現としてボールが転がってどうなるかイメージしているのではなく、知識や論理、抽象的な理解に基づいて思考するため、アファンタジアの人は優れた空間認識能力や問題解決能力を持つことがあるそうです。
アファンタジアに関する注意点として、脳内でイメージを思い浮かべられない人は想像以上に多く、50人に1人はアファンタジアではないかと考えられています。また、「アファンタジア」という名称を考案した神経医学者のアダム・ゼマン教授は、「アファンタジアは人間の経験における興味深いバリエーションであり、障害ではありません」と指摘しています。
そのほか、アファンタジアに対するよくある誤解として「道案内が苦手」「フィクションを嫌う」「芸術家になれない」「瞑想(めいそう)できない」などがありますが、それらは全て間違った考えであり、むしろアファンタジアであることが芸術性や瞑想の集中力につながることもあるとAPHANTASIA NETWORKは指摘しています。
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in メモ, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article An Introduction to Aphantasia: The inabi….





