サイエンス

カラスは「道具の価値」を理解し重要な道具をより大事にする


人間は不便な道具よりも便利な道具の方を大切にし、より頻繁に使用したり交換にかかるコストを抑えたりしています。この行動が、人間だけでなくカラスにも見られることが調査により明らかになりました。

New Caledonian crows keep ‘valuable’ hooked tools safer than basic non-hooked tools | eLife
https://doi.org/10.7554/eLife.64829.sa0

Crows Are So Smart They Seem to Understand The Concept of Tool Value
https://www.sciencealert.com/crows-are-so-smart-they-understand-the-concept-of-tool-value

Crows keep special tools extra safe | Max-Planck-Gesellschaft
https://www.mpg.de/18061418/1217-ornr-crows-keep-special-tools-extra-safe-987453-x

カラスについての研究を多数行っているセント・アンドルー大学のクリスチャン・ルッツ氏らは、小枝を使って木の穴から虫を引きずり出す習性で知られるカレドニアガラスを対象に調査を実施。27羽の野生のカレドニアガラスを一時的に捕獲し、2種類の小枝を使った実験を行いました。

ルッツ氏らが用意した小枝は先端がかぎ状になったものと真っすぐ伸びたものの2つ。事前の実験により、かぎ付き小枝はかぎなし小枝よりも入手や製造が難しく、かぎなし小枝よりも10倍早く木の穴からエサを引きずり出せるということが分かっています。


ルッツ氏らはまず20本のかぎなし小枝と1本のかぎ付き小枝を円状に並べて木の穴を模したオブジェクトに肉片を入れ、カレドニアガラスがどの小枝を選ぶのかを調べたところ、ほとんどのケースでかぎ付き小枝が選ばれることが分かりました。

次にルッツ氏らは100本のランダムな小枝を無造作に並べ、カレドニアガラスがどの小枝を選ぶのかを観察。この実験でもやはりカレドニアガラスはかぎ付き小枝を選ぶ傾向にあり、さらにかぎ付き小枝を選んだ場合、小枝をなくさないように足元に置く「保管行動」を取ることも多くなったとのこと。

by Arthur Chapman

実験に携わったジェームズ・セントクレア氏は「カレドニアガラスが、より効率的で入手しづらい小枝に注意を払っているのを見るのはワクワクしました。この実験により、カレドニアガラスがさまざまな道具の価値について何らかの概念を持っているということが示されました」と述べました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1p_kr

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