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90日で1億7000万円獲得したスタートアップが資金調達の心構えを解説


スタートアップ企業にとって、製品の売り込みや資金集めは非常に困難な作業です。このことについて、およそ90日で1億7000万円近くを集めたというプログラミング言語開発企業のWaspが、「資金獲得を成功させるために何をしたのか」を公開しています。

Our fundraising learnings - 250+ meetings in 98 days to the oversubscribed round | Wasp
https://wasp-lang.dev/blog/2021/11/22/fundraising-learnings

マティヤ・ソシッチ氏が立ち上げたWaspは、同名のドメイン固有言語(DSL)を開発。スタートアップサポート団体であるY Combinatorのプログラムに参加して、150万ドル(約1億7000万円)近くの資金調達に成功しています。


ソシッチ氏は「一般的なアドバイスではなく、あくまで私たちが行ったことを列挙します」と前置きし、成功秘話について語りました。

WaspはReactNode.jsと連携して機能する、ウェブアプリの構築を手助けするDSLです。使い勝手の良さから開発者の注目を浴びたこの製品の成功には、ソシッチ氏らの販売努力があったといいます。ソシッチ氏らはY Combinatorのプログラムに製品を登録した後に100人以上の投資家から注目されたため、それら投資家に毎週ガントチャートやユーザーの声を配信するフォローアップを行い、投資家が自社製品についてどう考えているのかを把握する作業を行ったとのこと。

ソシッチ氏は常に自分たちの売り込みに批判的であり続け、さらなる製品改良を求める声をリスト化するなどの努力を継続。製品の発表時期や開発チームを公開するか否か、どのように収益化するかなどの戦略を「物語の作成」と呼んで、より投資家らにとって説得力のある物語を暗記するまでに構築し、提供し続けたとのこと。ソシッチ氏は「始めた時に比べて戦略が洗練され、チームが自信を持ち始めたことを感じた」と述べています。


しかし、最初に期待してくれた100人の投資家から最終的に資金提供が行われることはなかったとのこと。ソシッチ氏は「デモの段階でスタートアップに投資することはリスクが高く、当然のこと」と指摘。もともと製品そのものが非常に技術的なものであったため、特定の開発者こそが真の理解者だと気づいたソシッチ氏らは売り込み先を縮小。Y Combinatorに参加した他の開発企業を調べ、過去に同様の技術製品に投資した人物に絞って紹介を行っていったとのこと。

ソシッチ氏らは売り込みを行う上で「肯定意見ではなく否定意見を追いかけるべき」「疑う人間に時間をかけない」ということを学んだと述べています。「製品を気に入っているが、市場規模や収益化の可能性について懐疑的な人物」にいくら説明しても考えを変えることは難しく、気が散るばかりだったとソシッチ氏は振り返っています。

また、ソシッチ氏は資金調達の過程でほとんど進捗がない時期を経験したとも述べています。ソシッチ氏らは以下グラフのようにおよそ2カ月で30万ドル(約3400万円)を獲得したものの、そこから1カ月間は誰からも反応をもらえなかったとのこと。ソシッチ氏はこの時期を「死の谷」と呼んで困難な時期であったことを認め、自分たちが持っている全てのリソースを使い続けるよう努力したと述べています。


ソシッチ氏は資金調達を終えた段階で「自分たちを大企業と比較すること」が最も役立ったと感じたそうです。自分たちと大企業がとる戦略の類似点を見つけ、大企業と同じように投資家に売り込むことは最良の方法であり、当初はこのことがいかに重要か分からなかったものの、今では「最高のアドバイスと言える」とのこと。ソシッチ氏はこれらの経験を「困難を感じた時の動機付けになれば幸いだ」と記しています。

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in Posted by log1p_kr

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