セキュリティ

GoogleやFacebookなどのトラッカーをブロックするプライバシー保護機能をDuckDuckGoのAndroid版アプリが導入


ユーザープライバシーの保護を掲げるインターネット検索エンジンのDuckDuckGoは、大手IT企業によるデータ収集が注目を集める中でGoogle検索の代替として急成長を遂げています。新たにDuckDuckGoが、Android版アプリで「他社のアプリに潜んでいるGoogleやFacebookなどのトラッカーをブロックする新機能」を導入すると発表しました。

We’re excited to announce App Tracking Protection for Android is now in beta, a new feature in our app that blocks third-party trackers like Google and Facebook lurking in other apps.

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— DuckDuckGo (@DuckDuckGo)


Introducing DuckDuckGo App Tracking Protection for Android
https://spreadprivacy.com/introducing-app-tracking-protection/

Privacy firm DuckDuckGo launches App Tracking Protection for Android in beta - Neowin
https://www.neowin.net/news/privacy-firm-duckduckgo-launches-app-tracking-protection-for-android-in-beta/

GoogleやFacebookはユーザーデータをコンテンツや広告に活用する企業として知られていますが、企業がユーザーデータを収集するのは自社製アプリに限らず、多くのサードパーティー製のアプリにもトラッカーを潜ませているとのこと。DuckDuckGoが人気のある無料Androidアプリを調査したところ、全体の96%以上にサードパーティーのトラッカーが潜んでおり、そのうち87%がGoogleに、68%がFacebookにデータを送信していたと述べています。また、アプリ分析企業のAppCensusが行った調査でも同様の結果が出ているそうです。

アプリに仕込まれたトラッカーはアプリ上でユーザーが行った操作だけでなく、アプリを使っていない時もリアルタイムでユーザーの行動を把握し、企業にデータを送信できるとのこと。ユーザーがどこにいるのか、何をしているのか、夜に何時間眠るのかといったデータまでが数十ものサードパーティー企業に送信されており、FacebookやGoogleはユーザーの詳細なデジタルプロフィールを作成することが可能です。DuckDuckGoはこれらのデータを企業が直接使用するだけでなく、データブローカーや広告主、政府機関などに販売することもできると指摘しています。


AppleはiOS 14.5からプライバシー強化機能「App Tracking Transparency(ATT)」を導入し、トラッカーによるユーザーの追跡を許可制にしました。これによってiOSアプリを使用する広告主やFacebookなどの広告企業が大きな打撃を受けた一方、企業は費用対効果が薄くなったiOS向けの広告を縮小し、Android向けの広告を増加させたことも報じられています。

Appleがプライバシー強化機能を導入してAndroidが恩恵を受ける - GIGAZINE


DuckDuckGoは2021年11月18日、Android版アプリにおいて、アプリに埋め込まれたサードパーティー企業のトラッカーをブロックする新機能・App Tracking Protection(アプリ追跡保護)をベータ版でリリースしたと発表しました。DuckDuckGoは、世界中の多くの人々がiOSではなくAndroidを使用しているため、今回Android版アプリでトラッカーからの保護機能を導入することに興奮していると述べています。

アプリ追跡保護を有効にすると、デバイス上のアプリがサードパーティーのトラッキング企業にデータを送信しようとする動きを検出し、要求をブロックすることでユーザー追跡を阻止するとのこと。この仕組みはDuckDuckGoが所有するデータベースに基づいており、継続的に新しいトラッカーを特定してユーザーに最新の保護を提供するそうです。

ユーザーはDuckDuckGoアプリからアプリ追跡保護がブロックするトラッカーをリアルタイムで監視できるほか、アプリがデータを送信しようとしたトラッキングネットワークも見ることができる模様。アプリ追跡保護はバックグラウンドでも実行され、ユーザーが寝ている時でもトラッカーをブロックし続けるとしています。

DuckDuckGoのAndroid版アプリでアプリ追跡保護を有効にするには、アプリ経由で待機リストに登録する必要があるとのこと。まずはDuckDuckGoのAndroid版アプリの右上にあるアイコンをタップし……


「Settings」をタップ。


続いて「App Tracking Protection」をタップすると……


「Join the Private Waitlist」が表示されるので、タップすれば待機リストへの登録が完了します。待機リストへの登録に個人情報の入力は必要なく、デバイス上の日時に合わせて順番を確保し、準備が整い次第通知するとのこと。


なお、記事作成時点ではアプリ追跡保護はベータ版であり、トラッカーがブロックされないアプリも少数ながら存在するとのこと。また、アプリ追跡保護を有効にした結果としてアプリの動作に問題が出る可能性もあるため、問題が発生したらDuckDuckGoアプリ経由でフィードバックを送ることを呼びかけています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by log1h_ik

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