DuckDuckGoが広告トラッカーを削除するメール保護機能の提供を開始
インターネット検索エンジンの「DuckDuckGo」がリリースしているウェブブラウザの「DuckDuckGo Privacy Browser」に、メールサービスを切り替えることなくメールにおけるプライバシーを保護することができる「メール保護」機能のベータ版が追加されました。
Introducing Email Protection: The easy way to block email trackers and hide your address
https://www.spreadprivacy.com/introducing-email-protection-beta/
Today we're announcing the beta release of DuckDuckGo Email Protection! Get a free Duck Address, and we'll forward emails to your current inbox after zapping hidden trackers and protecting your current email address.
— DuckDuckGo (@DuckDuckGo) July 20, 2021
That's privacy, simplified.https://t.co/Bcgz5yB7nZ
インターネット上でやり取りされるメールの70%にトラッカーが仕込まれているという論文があるように、メールは多くの人が考えるよりもプライバシーを損なう危険性をはらんでいます。
メールに含まれているトラッカーはユーザーの使用する端末に関する情報や、位置情報などさまざまな情報を収集し、ターゲット広告を打つためのプロファイルを作成します。メールを開いた後に、そのメールに関連するような広告が表示されるのは、まさにメールトラッカーの影響です。メールトラッカーが収集する情報はユーザーの同意なしに直接第三者に送信されるため、この点も問題といえます。
こういった問題に対処するため、DuckDuckGoはメール保護機能のベータ版をリリースしました。これは無料で使えるメール転送サービスのようなもので、メールの中に含まれるトラッカーを削除し、メールサービスやアプリを変更することなく個人のメールアドレスのプライバシーを保護します。
メール保護機能の一環として、ユーザーは無料で使える個人用の「@duck.com」メールアドレスを取得可能になります。このメールアドレスに送信されたメールは、メールトラッカーが削除された状態で受信トレイに転送されます。DuckDuckGoアプリと拡張機能を使用することで、ウェブで閲覧する時でも個人の「@duck.com」アドレスに簡単にアクセスできるようになります。
また、ユーザーのプライバシーを保護するために、いわゆる「捨てメールアドレス」をいつでも簡単に生成することが可能です。スパムやメールアドレスを共有する可能性があると思われるウェブサイトでは、この捨てメールアドレスを生成することで、ユーザーはプライバシーを自主的に保護することができるわけ。なお、捨てメールアドレスは簡単に非アクティブ化することが可能であるため、スパムを受信しすぎるストレスもありません。
DuckDuckGoはメールトラッカーを削除するためにメールを転送しますが、メールの内容をDuckDuckGoが保存することはありません。誰から誰宛てに送信されたのか、といった情報もDuckDuckGo側が保存することはありません。なお、メール保護機能でDuckDuckGoがどのように情報を扱うかについては、以下のページにまとめられています。
DuckDuckGo Email | Privacy Guarantees
https://duckduckgo.com/email/privacy-guarantees
なお、DuckDuckGoのメール保護機能のベータ版にアクセスするにはプライベートウェイティングリストに参加する必要があるため、iOSまたはAndroid版のDuckDuckGoアプリで歯車アイコン→「Email Protection」→「Join the Private Waitlist」の順にタップする必要があります。
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