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ロシアの「ミサイルでの人工衛星破壊」によって生じたスペースデブリが与える影響とは?


2021年11月15日に、ロシアが自国の人工衛星をミサイルで破壊したため、大量のスペースデブリが宇宙空間に放出されたことが報告されました。この問題について、複数の専門家がスペースデブリの影響を分析した結果を報告しています。

New images and analyses reveal extent of Cosmos 1408 debris cloud | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/11/new-images-and-analyses-reveal-extent-of-cosmos-1408-debris-cloud/

Russian anti-satellite weapon test: What happened and what are the risks?
https://theconversation.com/russian-anti-satellite-weapon-test-what-happened-and-what-are-the-risks-172016

2021年11月15日に、アメリカのアンソニー・ブリンケン国務長官が「ロシアが人工衛星をミサイルで破壊し、大量のスペースデブリが発生した」という声明を発表しました。破壊された人工衛星は、ソ連時代に打ち上げられた通信傍受衛星「コスモス1408」であり、この衛星から発生したスペースデブリが国際宇宙ステーション(ISS)に衝突する危険が生じたことから、ISSに滞在する宇宙飛行士が避難する事態に発展していました。

「ロシアがミサイルで人工衛星を撃墜した」とアメリカ国務省が発表、すでに大量のスペースデブリが発生して宇宙飛行士は避難へ - GIGAZINE


上記のコスモス1408の破壊によって生じたスペースデブリの影響について、複数の専門家が分析結果を報告しています。例えば、宇宙関連分析企業のSpaceNavがスペースデブリと地表との距離を分析した結果、日本時間の2021年11月17日23時30分には、スペースデブリが地球から200km~1300kmの範囲に散らばっていたことが明らかになりました。テクノロジー関連ニュースサイトのArs TechnicaはSpaceNavの分析結果を基に、「スペースデブリの多くは400~450kmの区間に集中しています。これはISSの高度と一致するので、ISSに滞在する宇宙飛行士の避難は適切な判断だったと言えます」と述べています。


また、サウサンプトン大学で物理学を研究するヒュー・ルイス教授は、コスモス1408から生じたスペースデブリが大気圏内に突入するまでにかかる時間を分析しています。ルイス教授がTwitterに投稿したグラフを確認すると、多くのスペースデブリが数年で大気圏内に突入するものの、数十年宇宙空間に漂い続けるものもあることが分かります。


さらに、アメリカ空軍大学で戦略および安全保障について研究するウェンディ・ホイットマン・コブ教授は、「原因に関係なく、スペースデブリは深刻な問題です」「スペースデブリの量が増えると、人工衛星などとの衝突の危険性が高まり、特定の軌道が完全に使用不能になる可能性があります。このような事態に陥るまでに数十年かかる可能性がありますが、今回のロシアの人工衛星破壊は、その事態の発生可能性を高めました」と指摘しています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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