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中国の長征5Bロケットが「制御不能状態」で地球に落下してくる見込み、現在位置はここ


中国が2021年4月29日に打ち上げたロケット「長征5号B」が、2021年5月8日~9日ごろに制御不能な状態で地球に落下してくると、複数の報道機関が報じました。10階建てのマンションに相当する全長約30メートル、重さが約21トンに及ぶこのロケットは、巨大なため燃え尽きずに地表のどこかに落下するとみられています。

A Space Debris Expert Weighs in on the Massive Chinese Rocket Body Falling Uncontrollably to Earth. | by The Aerospace Corporation | May, 2021 | Medium
https://aerospacecorp.medium.com/a-massive-chinese-rocket-is-falling-uncontrollably-to-earth-db7c7b32d773

Chinese rocket stage predicted to reenter atmosphere around May 8 - SpaceNews
https://spacenews.com/chinese-rocket-stage-predicted-to-reenter-atmosphere-around-may-8/

Long March 5B, a Chinese Rocket, Expected to Tumble Back to Earth - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/05/06/science/china-rocket-crash-long-march-5b.html

アメリカ国防総省のマイク・ハワード報道官が5月4日に、「アメリカ宇宙軍は中国の長征5号Bの位置を追跡していますが、正確な落下地点は5月8日ごろになるとみられる再突入の数時間前にならないと特定できません」と発表しました。報道によると、このロケットは4月28日に文昌衛星発射場から発射されたものだとのこと。


ロケットは打ち上げ後、中国が建造中の宇宙ステーション「天宮」のコアモジュールを軌道上に乗せることに成功しましたが、その後制御不能な状態に陥っており、地球上に再突入する際の落下地点の見通しはついていません。

NASAなどが公開しているデータを基に、人工衛星などの軌道をリアルタイム表示しているサイトOrbTrackにアクセスすると、制御不能状態で軌道上を飛行している長征5号B(CZ-5B R/B)の現在地を見ることが可能。記事作成時点のところ、ロケットはインド洋の上空に位置しています。


なお、OrbTrackの作者である柏井勇魚氏は「軌道上物体の高度が下がってくると実際の位置と計算上の位置のズレが大きくなり、正確な位置を表示しないので、落下予測には使えません」と述べています


軌道上・再突入デブリ研究センター(CORDS)の主任エンジニアであるマーロン・ゾルゲ氏によると、燃え尽きずに地表に落下するのは質量の20~40%ほどとのこと。長征5号Bの重さは約21トンであるため、今回は約5~7トンの物体が地表に衝突することになると考えられています。なお、ロケットの破片が都市や人口密集地に落下し、人的被害をもたらす可能性は比較的低いそうです。

それでも、ロケットの落下地点は世界人口の大半が住んでいる北緯41.5度から南緯41.5度の範囲内に落下すると予想されていることから、特に大きな注目を集めています。

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル氏は、ニューヨークタイムズの取材に対し「通常は、ロケットの任務終了後にエンジンを再点火し、海の中など被害が最小限になる場所に落下させますが、中国はそれを行いませんでした。過去30年間で、これほど大きなロケットを軌道に乗せてから適当にどこかに落下させているのは中国だけです」と述べました。

アメリカ政府の資金提供により運営されている非営利団体Aerospace Corporationは、再突入の時間を協定世界時の9日3時43分(日本時間の12時43分)から16時間前後と見積もりました。仮にこの時間にロケットが落下した場合、破片はアフリカ北東部にあるスーダンに降り注ぐ可能性があるとのことです。

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in 乗り物, Posted by log1l_ks

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