サイエンス

制御不能の宇宙ステーション「天宮1号」が間もなく地球に落下


制御不能となっている中国の宇宙ステーション「天宮1号」が、2018年4月2日(月)8時~12時の間に地球に落下する見込みであると発表されました。

Tiangong-1: China space lab's return approaches - BBC News
http://www.bbc.com/news/science-environment-43557446

2017年9月に制御不能状態の宇宙ステーション「天宮1号」が「2018年1月前後に地球のどこかに落ちる」という予測が発表されました。約半年前の時点で明らかになっていた天宮1号に関する情報は以下の記事でチェックできます。

制御不能状態の中国の宇宙ステーション「天宮1号」は2018年1月前後に「地球のどこか」に落ちると予測 - GIGAZINE


専門家らは落下中の天宮1号を追跡しているものの、上層大気の影響でどのように軌道をたどるかが予測できず、記事作成時点では正確な落下地点を予測することはできていません。つまり、落下のタイミングを確かめる以外に方法は残されていないそうです。

このため、天宮1号の落下地点と予測されている範囲は北緯43度~南緯43度とかなり広範囲となっていますが、イギリス宇宙局のエンジニアであるリチャード・クラウザー氏によると「部品の大部分は、大気圏に再突入した際の熱で燃え尽きると予想しており、残りの破片も海に落ちる可能性が最も高い」と話しています。


また、欧州宇宙機関スペースデブリ局で働くホルガー・クラーグ氏によると「大気圏に再突入することで多くの部品は燃え尽きます。しかし、類似事例によれば全体の20%~40%の部品は、燃え尽きずに残るはずです。天宮1号は8トンもあるので、1.5~3.5トンの部品が地上に落下することになります」と語っています。

なお、天宮1号は制御不能になって大気圏に突入する人工物としては、50番目の大きさで最大サイズのものではありません。1979年に制御不能に陥ったNASAの宇宙ステーション「スカイラブ」は80トンあり、破片が西オーストラリア州に落下しましたが、ケガ人はありませんでした。

また、2003年2月に大気圏再突入後に空中分解したNASAのスペースシャトル「コロンビア」の重さは100トンを超えていました。この破片はアメリカのテキサス州とルイジアナ州に降り注ぎましたが、負傷者は出なかったと記録されています。

中国国営新華社通信の報道によると、天宮1号は日本時間の午前9時15分頃に南太平洋上空で大気圏に再突入したと発表しています。

「天宮1号」大気圏突入、燃え尽きたと中国報道 : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)


なお、制御不能となって落下した宇宙ステーションの残骸を発見した場合、どのように対処すれば良いのかについては以下の記事を読めばわかります。

制御不能で宇宙から落ちてくる中国の宇宙ステーションの残骸を発見したらどうすればいいのか? - GIGAZINE

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in 乗り物,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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