4時間ごとにコーヒーを飲むと冬の憂うつな気分を改善できる可能性


秋から冬にかけて気分の落ち込みや睡眠時間の増加といった症状が現れる季節性感情障害は「冬季うつ」とも呼ばれ、多くの人々の頭を悩ませています。新たに、ヨーロッパに住む5000人を対象にした調査や過去研究のレビューから、コーヒーを飲むことで冬の憂うつな気分を改善できる可能性があると報告されました。

Drinking coffee helps to improve mood as days get shorter
https://www.coffeeandhealth.org/2021/10/drinking-coffee-helps-to-improve-mood-as-days-get-shorter/

Drinking coffee may help improve mood, study claims | The Independent
https://www.independent.co.uk/life-style/food-and-drink/coffee-sad-improve-mood-study-b1948325.html

季節性感情障害は秋または冬に抑うつ状態が始まり、春や夏になると症状が治るという季節性のサイクルを持つ点が特徴です。症状としては気分の落ち込み・気力の低下・睡眠時間や眠気の増加・過食・運動量の低下などがみられ、日照時間の減少に伴ってやる気や幸福感をもたらすホルモンのセロトニンの分泌量が低下してしまうことが原因だと考えられています。

非営利団体のInstitute for Scientific Information on Coffee(コーヒーの情報科学研究所)が委託した調査では、イギリス・イタリア・フィンランド・ドイツ・ポーランドに住む5000人以上の成人を対象に、季節やライフスタイルとメンタルヘルスの関係についてアンケートしました。その結果、参加者の28%が日照時間の減少と共に抑うつ症状を経験し、同じく28%が悲しい感情の増加を経験していることが判明。具体的には、24%の人が「日照時間が短くなると不安感が増す」と回答し、24%が「集中するのが難しくなる」、25%が「運動へのモチベーションが下がる」、21%が「運動のパフォーマンスが低下する」と回答したとのこと。


さらにこのアンケートでは、日照時間が短くなる季節におけるコーヒー摂取の習慣や、メンタルヘルスの関係についても尋ねました。すると、被験者の29%は秋や冬にコーヒーを飲む主な動機は「活力を感じるため」だと答え、20%が「気分や感情を改善するためにコーヒーを飲んだ」と述べたほか、21%が「コーヒーを飲むと覚醒感や集中力が得る役に立つ」と答えたそうです。

2010年の研究では、4時間ごとにコーヒー1杯に当たる75mgのカフェインを摂取することで、気分の改善が1日にわたり持続する可能性が示唆されています。また、コーヒーの香りを嗅ぐだけで脳の働きを高める効果が得られるとの研究結果や、カフェインが気分やパフォーマンスを改善するとの研究結果、カフェインが運動のパフォーマンスを向上させるとの研究結果など、コーヒー摂取には季節性感情障害に対抗するさまざまなメリットがあるとInstitute for Scientific Information on Coffeeは主張しています。

カターニア大学医学部のGiuseppe Grosso助教は、「コーヒーに含まれるポリフェノール血液脳関門を通過して、抗神経炎症作用を発揮し、神経新生を促進することで、認知障害や感情障害のリスクを低下させるという証拠あります」とコメントしました。

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in サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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