Amazonが「純利益は前年同期比50%減」と四半期決算を報告、株価は下落
Amazonが2021年第3四半期(2021年7月1日~9月30日)の決算報告書を発表しました。純利益は前年同期比50%減を記録しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による巣ごもり需要の揺り戻しが顕著に数字に表われています。
Amazon.com, Inc. - Amazon.com Announces Third Quarter Results
https://ir.aboutamazon.com/news-release/news-release-details/2021/Amazon.com-Announces-Third-Quarter-Results/
Amazon Misses Q3 Expectations, Warns of 'Billions' in Extra Costs Q4 - Variety
https://variety.com/2021/digital/news/amazon-q3-2021-earnings-miss-1235099669/
2021年第3四半期におけるオンラインストアと実店舗の売上を統合した総小売売上は前年同期比4%増の548億7600万ドル(約6兆2400億円)、AWSやプライム・ビデオなどのサービス関連売上は前年同期比29%増の559億3600万ドル(約6兆3600億円)、総売上は前年同期比15%増の1108億ドル(約12兆6000億円)でした。サービス関連売上が総小売売上を上回ったのは、Amazonにとって史上初とのこと。営業利益は前年同期比22%減の48億5200万ドル(約5510億円)で、純利益は前年同期比50%減の31億5600万ドル(約3590億円)でした。
セグメントごとの内訳を見ると、同期におけるオンラインストアの売上は前年同期比3%増の499億4200万ドル(約5兆6800億円)でした。オンラインストアの売上は2020年第2四半期から2021年第2四半期にかけて49%増・37%増・43%増・41%増・13%増と推移したため、世界的な巣ごもり需要が徐々に終わりに近づきつつあることが結果に表われた形です。実店舗の売上は前年同期比12%増の42億6900万ドル(約4850億円)でした。
他方、成長を維持したのはサブスクリプションサービスとAWSのサービス関連で、サブスクリプションサービスは前年同期比23%増の81億4800万ドル(約9260億円)で、AWSは前年同期比39%増の161億1000万円(約1兆8300億円)という売上でした。
Amazonのアンディ・ジャシーCEOは第4四半期の見通しについて、労働力不足や従業員コストの上昇、世界的なサプライチェーンの制約、運賃・配送料の増加などによって数十億ドル(数千億円)の追加コストが予想されると述べ、ホリデーシーズンという商機を迎えるにあたって新たな課題に対処していると語っています。
Amazonは2021年10月にホリデーシーズン対策として全世界で正社員と期間労働者を計27万5000人雇い入れる計画を発表しており、ブライアン・オルサフスキーCFOは「前期においてAmazonは人件費の高騰に直面しており、3000ドル(約34万円)の入社ボーナスの支給や、大学授業料の無料化などの新しい特典を導入することで、従業員の雇用と維持に努めている」と述べています。
今回のAmazonの失速は予想をさらに下回ったとのことで、同社の株価は発表後に4%下落しました。
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