スピーカーの配置が自由自在なソニーの立体音響ホームシアターシステム「HT-A9」でDolby Atmosを再生してみた
4体のスピーカーで「360 Spatial Sound Mapping」による立体音響を体験できるホームシアターシステム「HT-A9」が、2021年8月7日にソニーから登場しました。実際にHT-A9を触る機会を得られたので、外観のチェックに続いて、実際に設置&初期設定を行い、立体音声の臨場感や「360 Spatial Sound Mapping」による自動音場補正の実力を確かめてみました。
HT-A9 | サウンドバー/ホームシアターシステム | ソニー
https://www.sony.jp/home-theater/products/HT-A9/
HT-A9のスピーカーやコントロールボックスの外観は、以下の記事で細かくチェック済み。今回は、HT-A9の設置や初期設定を実際に行い、Dolby Atmos形式の立体音声を再生してみます。
ソニーの手軽に立体音響を楽しめるホームシアターシステム「HT-A9」フォトレビュー - GIGAZINE
・目次
◆コントロールボックスやスピーカーの設置
◆初期設定
◆Dolby Atmos形式の立体音声を再生してみた
◆スマートフォンから音楽を無線再生してみた
◆まとめ
◆コントロールボックスやスピーカーの設置
今回はHT-A9による立体音声の臨場感を存分に楽しむべく、Dolby Atmosに正式対応しているゲーム機「Xbox Series X」やBenQの4Kモニター「EW2780U」と接続してホームシアターを構築してみます。
まず、Xbox Series XのHDMI出力端子とHT-A9のコントロールボックスのHDI入力端子を接続し、次にコントロールボックスのHDMI出力端子とモニターのHDMI端子を接続。さらに、コントロールボックスを電源に接続します。
コントロールボックスを電源に接続すると、前面に「HELLO」と表示されます。
次に、4体のスピーカーを好みの場所に配置して、電源と接続します。コントロールボックスとスピーカーは無線接続されるので、必要なケーブルは電源コードのみ。
取扱説明書によると、左右のフロントスピーカーは、テレビやモニターの両サイドに配置するべきとのこと。
今回は、フロントスピーカーをモニターの両側に配置し、リアスピーカーを大体同じ距離になるようにモニター観賞用のイスの後方に配置しました。
◆初期設定
コントロールボックスやスピーカーの配置&接続が完了したら、初期設定を始めるべくリモコンの電源ボタンを押します。
電源ボタンを押すとコントロールボックスの前面に「SETUP」と表示されます。
その後、数秒で自動的にスピーカーとの接続が完了するので、リモコンの「決定」ボタンで「次へ進む」を選択して設定を続けます。
言語設定では「日本語」を選択。
電波干渉を抑制するための無線設定を行うべく「開始」を選択。
数秒待つと自動的に無線設定が完了するので「次へ進む」を選択します。
音場設定ではスピーカーからテスト音声を再生して音場を最適化します。音を出せる環境かどうか確認したら「開始」を選択して設定が完了するまで静かに待ちます。
設定が完了したら「次へ進む」を選択。
すると、数十秒のサンプル音声が再生されるので、最後まで再生するかリモコンの「決定」ボタンを押して次の画面へ進みます。
「スピーカーの位置を変えた場合は再度音場設定を行う必要がある」という内容の注意書きが表示されるので「次へ進む」を選択。
今度は、AirPlayによる無線音楽再生やインターネットを介した本体アップデートに利用するために無線接続設定を行います。まずは「次へ進む」を選択。
有線接続もできるという案内が表示されますが、今回はそのまま「次へ進む」を選択します。
次に、「Wi-Fiネットワークを検索」を選択。
接続したいネットワーク名を選択して……
パスワードを入力して「Enter」を選択します。
少し待つとネットワークへの接続が完了するので、「次へ進む」を選択。
「Chromecast built-in」に関する説明が表示されますが、今回は利用しないので「スキップする」を選択。
ネットワーク設定完了画面が表示されたら「次へ進む」を選択。
Alexa搭載デバイスなどのスマートスピーカーに関する案内が表示されますが、今回は使わないのでそのまま「次へ進む」を選択。
プライバシーポリシーが表示されたら、よく読んで「承諾する」を選択してから「同意して完了する」を選択。
設定完了画面が表示されたら「機能紹介に進む」を選択します。
HT-A9はAlexaで操作可能とのこと。「閉じる」を選択して次の画面に進みます。
360 Reality Audioに関する説明が表示されますが、今回は使わないのでそのまま「閉じる」を選択します。
すると、HT-A9のトップ画面が表示されます。これで、初期設定は完了です。初期設定中は多くの画面を遷移する必要がありますが、Wi-Fi設定以外は基本的にリモコンの「決定」ボタンを押すだけでOKで、複雑な操作の必要なく音場の最適化された立体音声再生環境を手に入れられます。
◆Dolby Atmos形式の立体音声を再生してみた
初期設定が完了したので、Xbox Series Xを用いてDolby Atmos形式の立体音声を再生してみます。まずはHT-A9で「映像をみる」を選択してから「HDMI」を選択します。
すると、HT-A9を介してパススルー接続されたXbox Series Xの画面が表示されます。今回は、Xbox向けに配信されているDolby Atmosデモアプリ「Dolby Access」を使って立体音声を再生します。
実際にいくつかのデモを実行してみたところ、4体のスピーカーを配置した場所からはもちろん、それ以外の角度からも音が聞こえてくるように感じられ、360度どの方向からも音が聞こえる非常に臨場感の高い立体音声を楽しめました。また、スピーカーから別のスピーカーへの切り替えもスムーズで「木の葉が高速で体の横を後方から前方へと通り過ぎるシーン」などでは、その疾走感を存分に味わえます。
HT-A9には音声の臨場感を向上させる「IMMERSIVE AE」と呼ばれる機能が搭載されており、リモコンの「IMMERSIVE AE」ボタンを押すだけで有効・無効を切り替えられます。実際にIMMERSIVE AEを有効にした状態でDolby Atmosの立体音声を聞いてみたところ、横の空間だけでなく「上空から降り注ぐ雨音」のような上下に広がる音も忠実に再現され、無効状態よりも格段に臨場感が向上しました。
次に、フロントスピーカーを互いに離れた位置に配置し、左側のリアスピーカーを視聴席のすぐ右側かつ他のスピーカーと異なる高さに配置して、スピーカーの位置が変化しても臨場感を維持できるのか否かを確認してみました。
スピーカーの位置を変えたら、立体音声を再生する前に音場設定を行います。まずはHT-A9の設定画面から「かんたん設定」を選択。
次に「かんたんサウンド設定」を選択して……
「開始」を選択すれば、テスト音声が再生されて自動的に音場補正が行われます。
この状態で立体音声を再生したところ、耳に刺さるような電子音ではスピーカーが近すぎることによる違和感を少し感じましたが、楽器が鳴る音や人の声などはほとんど違和感を感じず、上述と同様の臨場感を楽しむことができました。これなら、「部屋にサラウンドシステムを組むスペースがない」という人でも臨場感の高い立体音声再生環境を構築できそうです。
◆スマートフォンから音楽を無線再生してみた
HT-A9はBluetoothによる音楽の無線再生に対応しています。スマートフォンなどとペアリングするには、リモコンの「Bluetooth」ボタンを2秒間長押しします。
すると、接続しているモニターにBluetooth接続待ち画面が表示されます。
次に接続したいスマートフォンのBluetooth接続設定から「HT-A9」を選択して……
接続が完了すれば……
スマートフォンの音楽をHT-A9で再生できます。
また、HT-A9は高音質コーデック・LDACに対応しているため、「Pixel 5」などのLDAC対応機器とBluetooth接続すれば、LDACによる高音質音楽再生を体験できます。
さらに、HT-A9はAppleの無線メディア再生規格・AirPlayに対応しているので、同じLANに接続したApple製端末でAirPlayでの再生を指示すれば……
設定などを行う必要なく、音楽を無線再生できます。
◆まとめ
HT-A9を実際に使ってみたところ、スピーカーとコントロールボックスの接続が無線で行われるため、配線が非常にシンプル。さらにリモコンの「決定」ボタンをポチポチ押し進めるだけで部屋の形状やスピーカーの配置に合わせた音場設定を自動で行ってくれるため、オーディオに詳しくない人でも簡単に立体音響再生環境を手に入れることができるホームシアターシステムでした。
また、HT-A9は4K・120FPSでの映像パススルー接続に対応しているので、PlayStation 5やXbox Series Xなどの高性能ゲーム機の映像を存分に楽しみつつ、音声再生環境をグレードアップすることも可能です。
HT-A9は家電量販店やネットストアで入手可能。記事作成時点ではAmazon.co.jpで税込21万円で入手可能です。
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・つづき
HT-A9にワイヤレスサブウーファー「SA-SW3」や「SA-SW5」を組み合わせて重低音を楽しんでみたレビュー記事を、以下のリンクから確認できます。
ソニーのオーディオシステムに設定不要で組み込めるサブウーファー「SA-SW3」「SA-SW5」で重低音を楽しんでみた - GIGAZINE
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