ソニーの4K有機ELテレビ「BRAVIA XRJ-55A80J」レビュー、PlayStation 5の性能が認知特性プロセッサ「XR」による高画質・高音質で存分に引き出される
ソニーのテレビブランド「BRAVIA」で、独自開発の認知特性プロセッサ「XR」を搭載した4K有機ELテレビ「BRAVIA XR A80J」シリーズ3種が2021年6月に登場しました。「画音一体」をコンセプトに、画面を振動させて高音質を生み出す「アコースティックサーフェスオーディオ」を搭載し、美麗な映像と共にリアリティーのある音を実現しているのが特徴。また、同じソニーのPlayStation 5を始めとする次世代ゲーム機で出力可能な4K・120fpsに対応しており、将来的には可変リフレッシュレート(VRR)にも対応するとのことで、実際に55インチ型の「BRAVIA XRJ-55A80J」を使ってみました。
A80Jシリーズ | テレビ ブラビア | ソニー
https://www.sony.jp/bravia/products/XRJ-A80J/
BRAVIA XRJ-55A80JがGIGAZINE編集部にやってきました。
最初に取り出したのが、テレビスタンドとテレビ固定用器具とビス。
スタンドは2つの部品でできており、ネジを外して組み換えることで、外側スタイル・内側スタイル・サウンドバースタイルの3種類でスタンドを取り付けることができます。
スタンドを、テレビの本体に差し込みます。
テレビ本体はこんな感じ。今回は外側スタイルでスタンドを取り付けました。大きさは横幅122.7cm×高さ73.5cm×奥行き33.0cm。重さはスタンド含めて19.0kgです。
スタンドは真っすぐでしっかりと接地するので、安定性は高いといえます。
画面左下にはソニーのロゴがありました。
背面はこんな感じ。
端子は左から、地上波、BS/110度CS、LANケーブル、光デジタル音声出力、HDMIポート3つ、録画用HDDを接続するためのUSB Type-A端子。HDMIは左から4番・3番・2番で、4番は4K/120Hzに対応、3番は4K/120HzとARC(eARC)に対応しています。
電源ケーブルの端子は裏面の左下。100V~50Hz/60Hzで、消費電力は347Wで待機時は0.5W。なお、年間消費電力量は183kWh/年です。
右側面
左側面
画面の薄さは実測で約6mmでした。
パネル裏の左側面には電源ボタンとビデオ入力、オーディオ入力、AV周辺機器の電源用USB端子(5V・500mA)が2つ、HDMI入力(1番)が1つ。一番下のスイッチは本体マイク入力のオン・オフを切り替えるためのもの。
本体の他に、電源ケーブルとリモコン、組み立てガイド、取扱い説明書が入っていました。
リモコンはこんな感じ。Googleアシスタントによる音声入力も可能。また、Hulu・Netflix・U-NEXT・Amazonプライムビデオ・Abema・TSUTAYAオンデマンド・YouTubeにアクセスできるホットキーが搭載されています。
リモコンには単4乾電池2本が必要です。なお、電池は付属していました。
BRAVIA XRJ-55A80Jの電源を入れると、Google TVが起動。まずは言語を設定して……
Google TVの初期設定を行います。
初期設定はGoogle Homeアプリを使って行うこともできますが、今回はリモコンで設定を行います。
Wi-Fiを設定し、ログインするアカウントと紐付けたら、Googleサービスに同意します。
最新情報の配信はスキップ。
Googleアシスタントを有効にすれば、音声コマンドによる操作も可能になりますが、今回は有効にしませんでした。
一通りの設定が終わったら、「BRAVIA」のロゴが表示され……
今度はBRAVIAの設定へ。プライバシーポリシーに同意します。
リモートスタートはYouTubeのキャストを受けると自動でテレビの電源が入るという機能。今回はオフに設定。
地上放送の受信設定は、アンテナをつないだ状態で自動で行われます。今回は地上放送の受信設定をしませんでした。
ゲーム機やAV周辺機器など、接続機器の設定を自動で行います。
というわけで、PlayStation 5を接続します。
4K解像度・リフレッシュレート120Hzに対応している4番のHDMIポートにケーブルを接続します。
すると、こんな感じで自動認識され、「PlayStation 5」と表示されました。
接続している機器の種類を選びます。PlayStation 5は4K・120fps出力が可能なので、「4K HFR(高フレームレート)対応機器」を選択。
映像の確認をして、「はい」を選択。
これでPlayStation 5の入力設定が終了。
テレビの設置方法を選択します。今回はテーブルの上に載せるので、「テーブルトップ」を選択。
設置方法の確認があったのは、自動音場補正を行うため。BRAVIA XR A80Jシリーズは背面にあるアクチュエーターとサブウーファー、さらに画面そのものをスピーカーとしながら、3次元のリアルな立体音響を実現する「ドルビーアトモス」に対応しています。そのため、テレビのリモコンに搭載されているマイクで音場を調整する必要があります。
画面に向けてリモコンを向けて調整を開始すると、テレビからピピピという音が流れ、自動で音場が調整されました。
製品のサポート登録画面が表示されるので、「次へ」を選択。
BRAVIA XR A80JシリーズはApple AirPlayとHomeKitに対応しています。iPhoneやiPadから映像や画像を表示したり、HomeKitでスマートホームシステムに組み込むこともできます。「次へ」を選択。
これで初期設定は終わり。「終了」を選択します。
ホーム画面はこんな感じ。Google TVがベースですが、アプリではなくコンテンツを主軸とした画面構成です。
なお、BRAVIA XRJ-55A80Jに搭載されているGoogle TVは、Android TV バージョン10がベースになっています。
ホームからアプリを起動する形で、各サービスへスムーズにアクセスすることが可能。動作は軽快で、カクカクしたりもたついたりすることはありませんでした。
リモコンの「入力切替」を押すと、画面下に画面入力一覧が表示されます。PlayStation 5に切り替えてみると……
瞬時に画面が切り替わりました。
画質モードは7種類用意されており、すぐに切り替え可能。「ダイナミック」はこんな感じ。
「スタンダード」
「シネマ」
「グラフィックス」
「ゲーム」
「フォト」
「IMAX Enhanced」
また、色温度など、画質をもっと細かく調整することが可能です。PlayStation5の場合は、画質モード「ゲーム」が自動設定されるので、自分で画質をわざわざ設定する必要は基本的にありません。
なお、Netflixで映画を見た場合、「Netflix専用画質モード」が選択されます。確かにIMAXで撮影された映画「ダンケルク」はかなり映画館で見た映像に近い色合いを再現できているように感じました。
さらに音質モードは、6種類から選ぶことができます。PlayStation 5に設定が最適化されているので、「ドルビーオーディオ」に設定されています。
というわけで、まず1080p・120fpsでプレイ可能な「フォートナイト」を遊んでみます。
画面にぐっと寄って撮ってみたところが以下。髪の黒い部分がしっかりと黒になっているところが、バックライトのない有機ELならでは。
大画面でもぬるっと遊べる上に、音がはっきりと聞こえるのが印象的。遠くから聞こえる銃声もしっかり聞こえるので、かなり迫力のあるゲームプレイが可能です。
1080pの解像度を4K解像度・55インチの大画面に写しているので、かなり画質の粗さが目立ってしまいそうですが、認知特性プロセッサ「XR」による超解像エンジン「XR 4K アップスケーリング」によって、まったく違和感なく遊ぶことができます。
3D対戦格闘ゲーム「Virtua Fighter esports」をプレイ。動きは非常に滑らかでエフェクトの発色もキレイで、ラグもほとんどなく、プレイに支障がありません。
記事作成時点で、PlayStation 5で唯一4K・120fpsでのゲームプレイが可能な「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」をプレイ。
暗い場面でもコントラストがはっきりしており、細かい部分もしっかり見ることができました。
青空の向こうに沈む夕日を背景にヘリコプターが飛ぶ場面。認知特性プロセッサ「XR」による高輝度技術「XR OLED コントラスト」もあり、空と夕日の明るさがしっかり出ていると同時に、逆光を受けてシルエットになっている黒い輪郭がくっきりと浮かんで見えます。
フォント周辺を接写して撮影したところが以下。なお、2時間ほどプレイしても、画面からの発熱がほとんど感じられませんでした。
特に暗い場面が多いゲームである「デモンズソウル」もプレイしてみました。山の向こうからこぼれる夕日や空の雲、岩肌や影など細かい表現が大画面にしっかりと映し出されます。
音質もかなりよく、プレイしていてかなりの迫力を感じました。
BRAVIA XRJ-55A80Jを実際に使ってみると、とにかくその画質と音質に驚かされました。55インチという大画面の4K有機ELテレビなので、発色や明るさがいいのはもちろんなのですが、再現性の高い色と高い画質、迫力のある音が楽しめます。例えばNetflixで映画を見る時も、音声は5.1chに自動設定され、キャラクターのセリフがBGMや効果音に埋もれることなくはっきりと聞き取ることができました。また、システムの応答性も高く、画面やアプリを切り替えてもカクカクすることがないのもうれしいポイントでした。
BRAVIA XRJ-55A80Jは、ソニーのPlayStation 5に同社が公式に対応した初めての4K有機ELテレビです。4K・120fpsという次世代ゲーム機ならではのゲームプレイを存分に楽しむことができます。BRAVIA XRJ-55A80Jであれば、PCのモニターだとなかなか再現できない「音質」も追求されており、ゲームにおける音の演出もそのまま楽しむことが可能。PlayStation 5などの次世代ゲーム機を全力で楽しむのであれば、BRAVIA XRJ-55A80Jはかなりアリだと感じました。
BRAVIA XRJ-55A80JはAmazon.co.jpで、記事作成時点では税込27万円で購入可能です。
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