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「直下型LED部分駆動」で明るくキレイな画面を実現したソニー初のゲーミングモニター「INZONE M9」をPCに接続して使ってみた


家電メーカーのソニー初のゲーミングデバイスブランド「INZONE」から、27インチゲーミングモニター「INZONE M9」が2022年7月8日に登場しました。ソニーのゲーム機・PlayStation 5をほうふつとさせる白と黒のツートンカラーによるデザインで、4K解像度・リフレッシュレート最大144Hzを実現し、ソニーのテレビ・ブラビアにも使われている「直下型LED部分駆動」を採用しているとのこと。実際にINZONE M9を編集部のPCに接続して、そのスペックを確かめてみました。

INZONE M9 | ゲーミングギア INZONE(インゾーン) | ソニー
https://www.sony.jp/inzone/products/INZONE_M9/


INZONE M9の外観については以下の記事を読むとわかります。

ソニーの4K解像度/リフレッシュレート最大144Hzの27インチゲーミングモニター「INZONE M9」が登場、外観はこんな感じ - GIGAZINE


モニターをPCにつなぐため、ACアダプターをコンセントにつなぎます。ACアダプターはかなりの大きさで、付属の電源コードは約45cmと短いので、モニターを置く時は接続するコンセントの位置が特に重要だと感じました。


モニタースタンドの内部は空洞になっており、ケーブルを通すことができるようになっています。黒いのが電源ケーブルで、白いのはHDMIケーブル。


HDMIケーブルを背面底部にあるHDMI1ポートに挿すところ。HDMIポート2つと電源ポートはちょうどモニターの中央に位置しているので、組み立てた状態だとHDMIケーブルと電源ケーブルが非常に挿しにくいと感じました。ACアダプターの大きさも考慮すると、モニターの裏にはある程度の空間を確保しておくのがよさげです。


ようやくケーブル2つをポートに挿すことに成功。モニタースタンドがちょうど中央にあるので、ケーブルがキレイにまとまります。しかし、上下70mmに動くモニターを一番下にまで降ろすと、以下の画像のようにケーブルの根元がぐにゃりと曲がり、負荷がかかるように見えるのが気になるところ。


モニターの電源をオンにします。電源オンを示すインジケーターは右側面下部にあります。インジケーターは正面からは確認できないので、電源が入っているかどうかを確認する場合は右側面から見る必要があります。


これでPCと接続完了。モニタースタンドは3脚型なので安定感がやや低く、ちょっと触るとゆらゆらと揺れる印象。


猫になって動き回れるサイバーパンクADVゲーム「Stray」を起動したところ。解像度は3840x2160ピクセルで、HDMI接続の場合のリフレッシュレートは最大120Hz。公称スペックではコントラスト比は8万:1、表示色域はDCI-P3カバー率95%以上で最大表示色は10億7000万色です。発色は非常にキレイで、明るさも問題ありません。


INZONE M9最大の特長は「直下型部分LED駆動」であること。直下型部分LED駆動はディスプレイの液晶パネルのすぐ裏にLEDパネルを内蔵し、映像に応じてLEDの点灯を制御するというシステムです。一般的な液晶ディスプレイで用いられているエッジ型は画面端にバックライトに設置するので、光が透けて暗い部分がわずかに明るく見えてしまう上に、画面端と中央で明るさにムラが生まれるというデメリットがあります。直下型LED部分駆動は明るい部分のLEDを点灯させて暗い部分のLEDをオフにすることが可能なので、コントラストと色表現をはっきりさせられるというのがメリットです。

実際にINZONE M9直下型LED部分駆動を確かめてみたのが以下のムービー。黒い画面の中で白いマウスカーソルを動かすと、マウスカーソル周辺だけが明るく、それ以外の部分は真っ黒になっています。そのため、黒い画面の中でぼんやりとした光がカーソルを追随する様子を見ることができます。

INZONE M9の最大の特徴である「直下型部分LED駆動」を検証してみた - YouTube


視野角は水平・垂直で178度。


INZONE M9はモニターのメニューから設定を変更できますが、設定ソフトウェアのINZONE Hubから設定することも可能です。INZONE Hubのインストール方法は以下の記事を参照。

ソニーのゲーミングヘッドセット「INZONE H9/H7/H3」は耳の形から立体音響の個人最適化が可能、設定方法はこんな感じ - GIGAZINE


INZONE M9を接続しているPCにINZONE Hubをインストールし、起動するとこんな感じ。「ディスプレイ設定」では画質の調整やゲームアシスト機能の設定が可能。


INZONE M9の画質設定には「標準」「FPS」「シネマ」の3種類のプリセット、そして自由にカスタマイズできるゲーム1・ゲーム2の2種類が用意されています。以下は「標準」の設定。


「FPS」は少し明るさが強く、コントラストが低い印象。


「シネマ」はわずかにコントラストが高く、画面もやや暗めであるように感じました。


フレームレートカウンターを表示すると、左上に入力映像のフレームレートが表示されます。


クロスヘアは画面中央に照準型のアイコンを表示して、FPSなどでエイムを補助する機能。


タイマー機能もあり、オンにすると右上にタイマーを表示できます。


「本体設定」ではオーディオやUSBハブの管理、入力信号の管理が可能。パーソナライズでは、電源LEDのオン・オフ、背面LEDの色設定を変更できます。


INZONE M9の背面にある排気口内部にはLEDが仕込まれており、ゲーミングデバイスらしく13色に光らせることができます。どんな感じの色に光るのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

INZONE M9背面の排気口がゲーミングモニターらしい13色の輝きを見せる - YouTube


リフレッシュレートを確認できるUFO Testにアクセスしてみました。以下の画像はシャッタースピード60分の1で撮影したものです。HDMI接続の場合、表示されたアニメーションのフレームレートは最大で60fpsでした。


DisplayPortで接続しなおしてみたところが以下。DisplayPortの場合はリフレッシュレートが最大144Hz。144fpsのアニメーションは非常になめらかに流れている印象です。


G2G応答速度は、高速モードに設定して最大で1ms。残像ににじみはほぼなく気になりません。


実際に使うとINZONE M9はゲーミングモニターとしては十分な機能を搭載していることがわかりました。発色は非常にキレイで明るく、INZONE Hubで簡単に設定できるのもうれしいポイント。明るくコントラストの高い27インチ画面なので、広く普及している24インチモニターよりも少し距離を置いてみるぐらいがちょうどいいように感じました。

ただし、背面へのケーブルの挿しにくさやACアダプターの大きさがネック。また、直下型LED部分駆動により発色は非常にキレイなのですが、「黒い画面はバックライトが点灯しない」という特徴で、入力信号がないときは電源がついているのかついていないのかがバックライトの透けから判断できません。電源インジケーターは右側面からしか見られず、「果たして電源はついているのか?」と戸惑うこともありました。そのため、使い勝手の面で慣れるには少し時間がかかるかも。また、INZONE M9はスピーカーを内蔵していますが、音質はかなり軽く心もとない印象です。


そして、INZONE M9のもう一つの大きな特徴が、ソニー製の家庭用ゲーム機であるPlayStatino 5に標準で対応する「Perfect for PlayStation 5」です。実際にPlayStation 5に接続してみたところも後日記事として公開する予定です。

INZONE M9はAmazon.co.jpで取り扱われており、税込15万4000円で購入可能です。

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<つづく>

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in レビュー,   ソフトウェア,   ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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