若者のSNS依存に関する裁判に直面するMetaのマーク・ザッカーバーグCEOは過去に虚偽の議会証言をしていたと監視団体が指摘

数百のアメリカ人家族が「MetaやTikTok、YouTubeなどのプラットフォームは子供たちに害を及ぼしている」と主張する裁判で、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが2026年2月18日に法廷で証言を行いました。その証言の前日に、「ザッカーバーグCEOは過去に上院司法委員会で行われた若者のSNS利用に関する公聴会で、委員会にウソをついていた」と主張する報告書を市民監視団体のTech Oversight Projectが示しています。
TOP REPORT: Mark Zuckerberg Lied to Congress. We Can’t Trust His Testimony.
https://dispatch.techoversight.org/top-report-mark-zuckerberg-lied-to-congress-we-cant-trust-his-testimony/

若い子どもを持つ親や10代の若者、学区からなる約1600人の原告が関与する大規模なグループは、Meta、Snap、TikTok、YouTubeなどのプラットフォームが「若者をうつ病や摂食障害、自傷行為、その他の精神衛生上の問題に陥らせている」として金銭的損害賠償と差止命令を求めています。主な証人として、Snapのエヴァン・シュピーゲルCEOや、YouTubeのニール・モーハンCEO、Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏、MetaのザッカーバーグCEOなどが予想されており、同様のSNS裁判にどのような影響を与えるか注目されています。なお、TikTokとSnapchatは裁判開始予定の直前に非公開の条件で和解しており、YouTubeとMetaは原告の主張に反論しています。
テクノロジー関連の政策に提言する市民団体のTech Oversight Projectは、訴訟に関連してソーシャルメディア依存症に関する裁判資料として提出された文書を分析し、「これらのソーシャルメディアは子どもや若者の健康への既知の害を全く考慮せず、意図的にソーシャルメディア中毒になるようプラットフォームを設計し、若者の大規模な中毒を引き起こしたという決定的な証拠が明らかになった」と報告しています。
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さらにTech Oversight Projectは、2024年2月に上院司法委員会で開催された「巨大IT企業とオンライン児童性的搾取危機」の公聴会で、ザッカーバーグCEOが語った若者のSNS被害を削減する取り組みに関する内容について分析しました。公聴会の発言をザッカーバーグCEOの過去の発言や社内文書と照らし合せた結果、矛盾や虚偽のデータが含まれており「ザッカーバーグCEOの証言は信用できない」とTech Oversight Projectは報告しています。
例えば、ザッカーバーグCEOは公聴会で「私たちは多額の投資を行い、皆さんの家族が経験したような苦しみを誰も味わわなくて済むよう、業界をリードする取り組みをこれからも続けていくつもりです」とSNS関連で自殺や事件によって子どもを失った家族に直接語っています。しかし、複数の団体が実施した調査報告書(PDFファイル)によると、Instagramの53の安全機能のうち47をテストした結果64%は利用できないか効果がなく、19%は一部機能したものの制限があり、問題なく機能したのは17%しかなかったとのこと。Tech Oversight Projectは「公聴会後にMetaが10代の若者の安全対策に投資したのは単なるPR活動に過ぎません。公約にもかかわらず、Instagramの10代の若者向け安全機能の大部分が若いユーザーを保護できていないことが明らかになりました」と指摘しました。

また、公聴会の中でザッカーバーグCEOは「ソーシャルメディアの害について、まるで既に証明されているかのように多くの人が語っていますが、科学的証拠の裏付けはほとんどないかと思います」と主張していますが、The Wall Street Journalが2021年に発表したFacebook調査では、Instagramの使用が10代の若者の不安やうつ病といったメンタルヘルスの悪化と一貫して関連していることが明らかになっています。
そのほか、「性的に露骨なコンテンツを許可していない」といった主張や、「13歳未満の方はMetaのソーシャルメディアを利用できません」といった説明は、実際には安全基準がかなり甘く設定されており、規制が適切になされていない可能性があります。さらに、Metaの社内文書では「Metaが世界中の子供たちにとって最も関連性の高いソーシャルプロダクトなるため、6~10歳の子供、10~13歳のティーンエイジャー、そして13歳以上のティーンという若者のライフステージそれぞれに焦点を当てる」といった社内目標が示されており、「13歳未満は利用を禁止している」という主張と食い違っているとTech Oversight Projectは主張しています。また過去には、Metaが子どもを引きつけるために行っていた取り組みの一部が内部文書から明らかになっています。
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ザッカーバーグCEOは公聴会で、SNSが原因で子どもを失った遺族の親を思いやる発言をした上で、「当社のサービスを利用するすべての人が安全で前向きな体験をできるようにしたいと考えています」と語りました。一方で2018年の内部メールでは「10代の若者の機会費用と生涯価値」「10代の若者の問題を解決しなければ、2030年までにFacebookのユーザーは3000万人減少するだろう」など、子どもを商業的価値と捉えているとTech Oversight Projectは非難しました。
さらに、公聴会以外にもMetaの発言や報告書には虚偽が含まれているとTech Oversight Projectは指摘しています。2023年の報告書においてMetaは「Metaの自動システムは有害コンテンツの検出と削除において非常に効果的である」と述べており、いじめや嫌がらせコンテンツの87.8%、児童搾取コンテンツの99%、ヘイトスピーチの95%をユーザーからの報告を受ける前に削除したと主張しています。しかし、Metaの内部告発者はこの数を「実体験を軽視した社内指標に依存していた」と明かしており、自動検出ツールの真の精度は5%未満であると推定されています。
Tech Oversight Projectのエグゼクティブディレクターであるサシャ・ハワース氏は「Metaは長きにわたって、ユーザーが生成したコンテンツに関するプロバイダーの法的責任を免責する『通信品位法第230条』を盾に隠れていました。Metaの弁護団は、製造物責任訴訟が裁判に持ち込まれることは決してないと高をくくって、過去の文書が日の目を見ることはないだろうと考えていたかもしれませんが、彼らの予想は外れました。未公開の文書は、ザッカーバーグ氏が議会に嘘をついたことを証明しています。彼らは嘘をつき、研究を隠蔽し、議会が彼らに行動を改めるよう強制するまで、若者を無謀に傷つけ続けることを私たちは知っています。Metaの危険で甚だしい行為を違法とする唯一の方法は、彼らを厳しく追及し、子供や若者を守るよう強制する法律を可決することです」と語りました。
Tech Oversight ProjectはMetaの発表内容およびザッカーバーグCEOの過去の発言を実際の社内文書などと照らし合せて分析した内容を、「裁判証拠」としてSNS裁判の審理期間中に公開しています。証拠の一部が掲載される「ビッグテック・オン・トライアル」のページは随時更新されていくそうです。
Trial Evidence - Tech Oversight Project
https://techoversight.org/bigtechontrial/

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh
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