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InstagramとFacebookを利用する約10万人の子どもが毎日「性器の写真を送りつけられる」などのセクハラを受けているとMetaが推定していることが内部文書により明らかに


裁判資料としてMetaが提出した内部文書から、MetaはFacebookやInstagramを利用する約10万人の子どもが、毎日「成人の性器の写真を送りつけられる」などのセクシャルハラスメントを受けていると推定していることが明らかになりました。

Meta documents show 100,000 children sexually harassed daily on its platforms | Meta | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2024/jan/18/instagram-facebook-child-sexual-harassment


アメリカ・ニューメキシコ州の司法長官事務所は、2023年12月5日に「Metaのソーシャルネットワークが児童の性的搾取の場となっている」として訴訟を提起しました。ニューメキシコ州のラウル・トレズ司法長官は、Metaのプラットフォームが「大人が子どもを見つけ、メッセージを送り、子どもを手懐けることを可能にしている」と非難しています。これに対して、Metaは「選択的な引用と抜粋された文書を使い、我々の仕事に対して間違った表現をしている」と述べ、トレズ司法長官側の主張を否定していました。

Metaはこの訴訟に応じるため、ニューメキシコ州司法長官事務所に対してMetaの従業員によるプレゼンテーション資料や従業員間のコミュニケーション内容をまとめた資料などを提出。また、提出に合わせて「我々は10代の若者たちに安全で年齢に応じたオンライン体験を提供したいと考えており、彼らとその保護者をサポートするためのツールを30種類以上用意しています。我々は10年かけてこの問題に取り組んでおり、オンライン上での若者の安全を守ることにキャリアを捧げてきた人材を雇用しています」という声明を発表しました。


しかし、Metaが提出した資料からはMetaのずさんな対応の数々が明らかになっています。

「2021年に作成された子どもの安全に関する社内プレゼンテーション資料」には、「Instagramでは未成年者への性的表現を制限するための投資が不足しており、未成年者が投稿したコンテンツに対する性的なコメントが近年は顕著である」と記されています。


また、2020年7月に社内で行われたコミュニケーションの中で、ある従業員が「グルーミング対策に具体的に何をしていますか?」と質問したところ、担当者からは「ゼロから無視できる程度のことしか行っていない」という返答があったことが確認できます。

他にも、今回の資料とは関係ないものの、Metaの元従業員が2023年11月末に実施されたアメリカ議会の公聴会の中で、自身の娘がInstagramを通じて性的誘惑を受けたと証言しました。この元従業員は問題解決のために上司に問題を報告したそうですが、無視されたそうです。

他にも、「2020年にAppleの重役の12歳の娘がInstagramのダイレクトメッセージ機能を通じて受けたセクシャルハラスメント」の詳細が記された資料も司法長官事務所に提出されています。この資料には、「App Storeから(Metaの)アプリを排除すると脅迫されるくらいAppleは激怒していた」と記されているそうです。


海外メディアのThe Guardianは今回の訴訟について、「Metaが児童の人身売買のために自社プラットフォームが使用されていることを理解しているにもかかわらず、正しく報告していないことを指摘した2023年4月の報道に続くもの」と指摘しています。

なお、Metaは2023年12月にFacebookやMessengerで送信されるメッセージにエンドツーエンドの暗号化を導入したことで批判を受けました。これはエンドツーエンドの暗号化を施すことで、テキストおよび画像が判読不能となり、子どもの性的搾取の実態を突き止めることが難しくなると考えられているためです。一方で、プライバシー擁護派はエンドツーエンドの暗号化を称賛しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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