サイエンス

Raspberry Piを用いた安価で持ち運び可能な血液検査装置が開発される


血液検査はガンや糖尿病といった幅広い病気の診断に用いられています。この血液検査には専用の設備が必要で貧しい地域やインフラの整っていない地域では血液検査が難しいという問題がありますが、インドの開発者が新たにどんな場所にも持ち運べる安価な血液検査装置を開発しました。

Development of an Optical Detection based Universal Biochemical Blood Analysis Platform | IEEE Journals & Magazine | IEEE Xplore
https://ieeexplore.ieee.org/document/9524612


Portable Analyzer Brings Blood Testing to Rural Areas - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/rural-blood-test-analyser

血液検査は健康管理や病気の早期発見に役立ちますが、血液検査を行える設備が整った地域は限られており、世界には血液検査が困難な地域が存在します。インドの工学大学・Shri Ramdeobaba College of Engineering and Managementの研究者であるサンギータ・パレカル氏とジャユ・カラム氏は「定期的な血液検査は病気の脅威を追跡して排除するのに役立ちます」「血液検査はすべての病理検査の3分の1を占めています」と語り、安価で移動可能な血液検査装置の必要性をアピールしています。

既存の血液検査装置は、血液サンプルに光を照射し、通過する光の量を測定することで血液に含まれるグルコースなどの成分の量を分析しています。パレカル氏とカラム氏が開発した安価で持ち運び可能な血液検査装置には小型コンピューター「Raspberry Pi」が搭載されており、使用する試薬や光の波長を変更しながら既存の血液検査装置と同様に血液サンプルを分析することが可能です。


今回開発されたポータブル血液検査装置は、既存の血液検査装置に用いられる市販の試薬キットを用いて血液サンプルの分析が可能とのこと。また、新開発の血液検査装置は30分で分析結果を出力可能で、その分析結果は既存の血液検査装置とほぼ完全に一致しているとパレカル氏とカラム氏はアピールしています。

パレカル氏は新たに開発したポータブル血液検査装置について「今回開発した血液検査装置は、自動化・低コスト・移植性・シンプルな計測・柔軟性といったメリットを提供します」「試薬と光の波長を変えるだけで、あらゆる生化学分析に適用可能です」と語っています。

パレカル氏とカラム氏は開発の次のステップとして、タンパク質・コレステロール・トリグリセリドアルブミン・その他の医学的に重要な血液中の物質を分析可能にすることを目指しています。また、パレカル氏は「適切なソフトウェアを使用すれば、ハードウェアをさらに簡素化できます」と述べています。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1o_hf

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