Apple Watch Series 7搭載予定のフルサイズキーボードは「既存アプリのパクリ」だという指摘

2021年9月15日に開催されたAppleの新製品発表イベントで発表されたApple Watch Series 7で、QWERTY式のフルサイズキーボードが新しい入力方法として搭載されることが発表されました。このフルサイズキーボードは、Appleが以前からもめている開発者がリリースしていたアプリと酷似しており、開発者は訴訟も視野に入れていることを示唆しています。
Apple blocked the FlickType Watch keyboard... then announced a clone of it
https://www.inputmag.com/tech/apple-blocked-the-flicktype-watch-keyboard-then-announced-a-clone-of-it
Apple Watch Series 7は、画面のベゼル(外枠)が極限まで狭くなったことで、表示面積が前世代のSeries 6よりも20%広くなったことが特徴。UIをSeries 7の大きな画面向けに調整することで、表示できるテキストの量もSeries 6と比較して約50%多くなったほか、文字入力用のフルサイズのキーボードも表示できるようになりました。
この「フルサイズのキーボードを搭載」という点に「もう皆さんご存じでしょう。法廷で会いましょう、Apple」と怒りをにじませるコメントをしているのが、Apple Watch用の人気キーボードアプリ「FlickType」をリリースしていたコスタ・エレフセリュー氏です。
So now we know. See you in court, @Apple. https://t.co/hJtPI2Z83J pic.twitter.com/1s7MUSLTpc
— Kosta Eleftheriou (@keleftheriou) September 14, 2021
エレフセリュー氏は、これまでにもApp Storeの詐欺アプリに対する対応を巡ってAppleに対して強い批判を行っていました。
アプリ開発者が指摘する「App Storeの抱える問題点」とは? - GIGAZINE

これまでApple Watchでは、画面が狭いためにキーボードが搭載されておらず、自由に文字入力を行うには音声入力が基本でした。エレフセリュー氏が開発するFlickTypeは、Apple Watchの画面上にQWERTY形式のキーボードを表示して文字入力できるというアプリ。入力キーは非常に小さいのですが、入力したいキーの周辺をざっくりタッチすると、入力したい単語を予測するというもので、確かに新製品発表イベントで明らかになった新キーボードとほぼ同じ仕組み。ざっくりとした入力でも推定で文章が打てるので、目の不自由なユーザー向けのiPhoneキーボードとしても活用できるというのがFlickTypeのポイントでした。
One Weird Trick to record Apple Watch videos, when no one’s around to hold the camera! ???? https://t.co/mBaqm4pyc3 pic.twitter.com/3vdm22ktPC
— FlickType Watch Keyboard (@FlickType) January 21, 2021
しかし、2021年8月にFlickTypeの開発チームは、「Appleから何年にもわたって嫌がらせを受けてきながらも、私たちは人々の生活を向上させるためのアプリを提供しようとしていましたが、もはや我慢できません」と述べ、iPhone版の提供を中止すると発表しました。
It's with a heavy heart today that we're announcing the discontinuation of our award-winning iPhone keyboard for blind users.
— FlickType Watch Keyboard (@FlickType) August 16, 2021
Apple has thrown us obstacle after obstacle for years while we try to provide an app to improve people's lives, and we can no longer endure their abuse. pic.twitter.com/cH1HCQzeP1
開発チームによれば、アクセシビリティ向上のためのアップデートをAppleに申請したそうですが、Appleは「キーボードで入力した内容をすべて開発元に転送しなければ動作しない機能だから」という理由でアプリのアップデートを拒否したとのこと。開発チームは何度もAppleに申し入れをしましたが、Appleは近年プライバシー保護に力を入れていることもあり、受け付けられなかったそうです。
しかし、Appleの新製品発表イベントで明らかとなったApple Watch Series 7のフルサイズキーボードは、機械学習を使って入力する単語を予測する「QuickPath」という機能も搭載されており、まさにFlickTypeそのもの。Twitter上でも、発表直後に「これはエレフセリュー氏のFlickTypeのパクリだろう」という指摘がありました。
Apple just one for one copied @keleftheriou @FlickType watch keyboard app. #AppleEvent pic.twitter.com/usrEcHbNdS
— Euan Traynor (@EuanFTraynor) September 14, 2021
なお、エレフセリュー氏がAppleに対して本当に訴訟を行うかは記事作成時点では不明ですが、FlickTypeの開発会社であるKpawは、「虚偽の広告」「カリフォルニアのビジネスおよび職業規範に違反する不公正な競争」「誠実かつ公正な取引の違反、詐欺、過失および不注意な不実表示」を非難し、2021年3月にAppleを訴えています。
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in ソフトウェア, ハードウェア, Posted by log1i_yk
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