サイエンス

夏の気温上昇が若者の自殺率上昇と関連しているという研究結果


うだるような夏の暑さは人間の活力を低下させます。新たな研究で、夏の暑さが24歳以下の若者の自殺率上昇と関連していることが明らかになりました。

Deadly Heat: The Association Between Ambient Temperature and Suicide in Young People in the United States | American Journal of Psychiatry
https://psychiatryonline.org/doi/10.1176/appi.ajp.20250096


Rising summer heat linked to higher US youth suicide rates, especially ages 15 to 24
https://medicalxpress.com/news/2026-06-summer-linked-higher-youth-suicide.html

子どもは大人よりも発汗効率が低いため、暑さに耐える能力が低いとされています。また子どもの多くは学校など自分で環境をコントロールできない場所で生活することが多いため、熱波の影響を受けやすいと考えられています。


テキサス工科大学のプラナヴ・ジャヤラマン氏らは、月平均気温が1℃上昇するごとにアメリカ人の自殺率は0.68%増加するという先行研究を受け、暑さの影響を特に受けやすい若者に絞って気温と自殺率の関連性を調査することにしました。

ジャヤラマン氏らは、アメリカ全土の気象観測所から収集したデータと、統計局が提供するアメリカ人の自殺率のデータを照合。データを5~14歳、15~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳、および65歳以上に分け、年齢ごとの自殺率と気温の関連性を見いだしました。


5歳から24歳の若年層に限定すると、年間自殺率は気温が1℃上昇するごとに0.75%増加していました。これは全ての年齢層における割合(0.73%)とほぼ同等でした。

ところが、夏季(7月~9月)になるとその差は大きく開きました。この時期、自殺率は気温が1℃上昇するごとに5~14歳で2.70%、15~24歳で2.97%増加していたのに対し、25~34歳は1.38%、35~44は1.28%しか増加していませんでした。それ以上の年齢でも増加率は1%前後でした。

若年層に限定すると、気温1℃当たりの自殺増加率は春で0.12%、夏で2.68%、秋で0.65%、冬で0.59%だったとのことです。


全ての年齢においては、暑さの影響は女性の方が大きく、気温が1℃上昇するごとの自殺率の増加は、男性の2.37%に対して女性は5.20%でした。

なお、ジャヤラマン氏らが参照したデータによると、1980年から2004年にかけてアメリカでは若年層の自殺が9万7401件発生し、そのうち83.3%が男性だったそうです。

ジャヤラマン氏らは「気温の上昇が続く中、若者の精神的健康を守るためには、より優れた科学技術だけでなく、冷房へのアクセス、都市計画の改革、気候変動を考慮したメンタルヘルス政策といった生物社会学的な取り組みも必要となるでしょう」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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