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ゾロアスター教の歴史を彩る知られざる重要書物3選


火を神聖視することで知られるゾロアスター教は日本では馴染みの薄い宗教ですが、現代でもイランやインドを中心に多くの地域で信仰されています。そんなゾロアスター教にまつわる歴史的な書物について、大英図書館の公式ブログが解説しています。

Epic Iran: Some Zoroastrian Treasures - Asian and African studies blog
https://blogs.bl.uk/asian-and-african/2021/08/epic-iran-some-zoroastrian-treasures.html


◆現存する最古の聖典
ゾロアスター教は紀元前1500年~紀元前1000年ごろに中央アジアで信仰され始めた宗教で、その教義は基本的に口頭で伝えられました。現存する最古の聖典は9世紀ごろに記されたもので、1907年に中国の敦煌で発見されました。

ゾロアスター教の教義はアヴェスター語と呼ばれる言語で伝えられていました。敦煌で発見された聖典では、アヴェスター語をアヴェスター文字ではなく中世イランで用いられたソグド語を用いて書き記しているとのこと。この聖典はゾロアスター教が中国に持ち込まれて以降、9世紀ごろまで信仰されていた証拠として扱われています。また、現存する2番目に古い聖典は13世紀ごろに記されたものとのことで、この聖典の記された時代の早さは特筆すべきこととされています。


◆イラスト付きの法律書
大英図書館が保存しているゾロアスター教関連の書物のほとんどは、イランからインドへ移住した人々が記したものであるとのこと。それらの書物のほとんどは文章のみで構成されていますが、1647年にイランのヤズドで記された法律書には複数のカラーイラストが含まれており、イスラム文化圏に特有の装飾が施されています。以下のページはその法律書の中で「死者を浄化する儀式」について記したものです。


この法律書は19世紀半ばにイランからインドに持ち込まれ、その後1982年に大英図書館に収蔵されました。大英図書館の以下のページでは、イラスト付き法律書の中身を閲覧できます。

The British Library MS Viewer
http://www.bl.uk/manuscripts/Viewer.aspx?ref=rspa_230_fs001r


◆ゾロアスター教の宇宙観を記した書物
ゾロアスター教は9世紀ごろに文化的発展期を迎え、神官たちが多くの文献をパフラヴィー語で記しました。大英図書館は、パフラヴィー語で記された文献の中でもゾロアスター教の宇宙観を記した「ブンダヒシュン」を特に重要な文献として挙げています。

ブンダヒシュンには、ゾロアスター教の善神や悪神、世界の川・湖・山・植物・動物・人類の起源などについて記されているとのこと。ブンダヒシュンにはイランの言語とインドの言語で記された写本が存在しており、大英図書館には17世紀または18世紀にインドで記された後に1800年代に東インド会社によって購入されたものが収蔵されています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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