仮想通貨取引所のFTX.USが仮想通貨のデリバティブ取引を提供するLedgerXを買収
世界第2位の暗号資産取引所であるFTX傘下のFTX.USが、暗号資産(仮想通貨)のデリバティブ取引を提供するLedgerXの親会社・Ledger Holdings Incを買収することを、現地時間の2021年8月31日(火)に発表しました。
FTX.US Acquires LedgerX
https://www.prnewswire.com/news-releases/ftxus-acquires-ledgerx-301365817.html
FTX US Acquires LedgerX To Expand Into Crypto Derivatives
https://forkast.news/headlines/ftx-us-acquires-ledgerx-crypto-derivatives/
2019年に設立されたFTXは、世界最大の暗号資産取引所であるBinanceに次ぐ世界第2位の暗号資産取引所です。2021年7月には、ソフトバンクを含む60以上の投資グループから9億ドル(約1000億円)の資金調達に成功したことを受け、企業価値が190億ドル(約2兆円)に到達しています。
1000億円の資金調達に暗号資産取引所「FTX」が成功、企業価値は2兆円に到達 - GIGAZINE
そんな中、FTXのアメリカ支社であるUTX.USが、仮想通貨のデリバティブ取引プラットフォームを運営するLedgerXの親会社・Ledger Holdings Incを買収すると発表しました。買収に関する具体的な金銭条件については、記事作成時点では明らかになっていません。
ニューヨークを拠点にするLedgerXは、担保付現物決済のビットコインスワップやオプション取引を提供しており、個人投資家や機関投資家は24時間年中無休で取引できます。2019年6月にはアメリカ商品先物取引委員会(CFTC)から指定契約市場として承認を受け、2020年9月にビットコイン先物の提供を開始しました。
FTX.USのブレット・ハリソン社長は、「今回の買収は、急速に成長するアメリカでのビジネスにおける重要なマイルストーンであると共に、アメリカのユーザーへ公的機関に規制された暗号資産デリバティブを提供する戦略の重要な部分です」とコメント。既にCFTCの認可を受けて多様なデリバティブ取引を提供しているLedgerXを買収することで、FTX.USが提供できる製品の種類も増加するため、今回の買収には大きな戦略上のメリットがあるとのこと。
LedgerXのザック・デクスターCEOは、「アメリカの暗号資産デリバティブは驚くほどサービスが行き届いていない市場であり、既存の枠組みの中で公的機関に規制された事業体となるには、多くの時間とリソースが必要でした。FTX.USは、『アメリカの規制当局は革新的な商品のパートナーになる準備ができており、CFTCのような機関と協力することは業界全体の責任だ』との見解を示しています」と述べています。
統合された新たな事業体は、CFTCをはじめとする規制当局との協力関係を構築し、金融業界の基準を満たしつつイノベーションを推進するとしています。なお、今回の買収はLedgerXの事業に重大な影響を与えることはなく、既存の顧客はこれまで通りLedgerXの製品を取引できるとのことです。
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