サイエンス

COVID-19の平均治療費は約220万円、ワクチン未接種者の治療には約2500億円が費やされている


これまでの調査でアメリカにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン未接種者の53%が「ワクチンはCOVID-19自体より危険」と考えていることが判明していますが、一方でワクチン未接種者の間で感染が拡大していることが問題視されています。そんな中、新たに、COVID-19の入院患者の治療費が平均2万ドル(約220万円)であり、ワクチン未接種者に対する2カ月間の推定費用総額が23億ドル(約2500億円)に上ることが判明しました。これまで治療費の多くは保険などでカバーされてきましたが、今後は患者側の支払いが増加する可能性も示されています。

Unvaccinated COVID-19 hospitalizations cost the U.S. health system billions of dollars - Peterson-KFF Health System Tracker
https://www.healthsystemtracker.org/brief/unvaccinated-covid-patients-cost-the-u-s-health-system-billions-of-dollars/

COVID hospitalization averages $20K—and insurers want unvaccinated to pay up | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/08/covid-costs-billions-so-delta-to-charge-unvaxxed-airline-workers-200-month/


アメリカではCOVID-19の感染者・死者が2021年1月にピークを迎え、その後、ワクチン接種が進むにつれ減少傾向に転じました。このため一時は「2021年夏には収束するのではないか」と期待されていましたが、デルタ株が流行すると再び感染者が増加。再びマスクの着用が義務化されるようになっています。


一方で、2021年8月時点のアメリカにおけるCOVID-19の流行は、ワクチン摂取率が低い地域で起こっていることから、「ワクチン未接種者のパンデミック」とも呼ばれています。

新型コロナ新規感染者の99.6%&新規死亡者の99.5%が「ワクチン未接種者」 - GIGAZINE


パターソン・ヘルスケアセンターとカイザー・ファミリー財団による新たな分析では、2021年6月と7月だけでも、ワクチン未接種者に対する治療にかかる推定費用が23億ドル(約2500億円)に達することが示されました。約2500億円という額は、COVID-19の入院患者に対する平均治療費が2万ドル(約220万円)であり、同期間におけるワクチン未接種者の入院数は11万3000人であることから算出されました。

これら治療費は患者だけが負うものではなく、主に公的なプログラムと、個人・企業などが加入する民間保険によってカバーされます。このためCOVID-19が悪化し肺炎で入院した場合、2万ドルの治療費のうち患者の負担額は1300ドル(約14万3000円)ほどとなっています。しかもCOVID-19の場合は、パンデミックのある時点から多くの保険で治療費の自己負担を免除されたとのこと。これは、パンデミックの影響で通常であれば費やされるはずだったヘルスケアへの支出が減少し、保険会社の収益が増加したことや、国から費用負担を命じられるよりはPRに利用した方が賢明だという判断から行われた施策です。


しかし、パターソン・ヘルスケアセンターとカイザー・ファミリー財団による別の分析で、このような保険会社の施策が徐々に終了し始めていることが示されています。アメリカ50州およびコロンビア特別州で提供されている102保険プランは全て、パンデミックのある時点からCOVID-19の自己負担免除を導入していましたが、うち72%にあたる73プランは既に自己負担免除を廃止しており、残り29プランのうち10プランも2021年10月で廃止予定、12プランは2021年末で廃止予定としています。

また、アメリカでは法律によって「保険会社がワクチン未接種者の保険料を上げること」が禁じられていますが、企業はウェルネスプログラムを通じてワクチン未接種者にコストを課すことができます。実際に、デルタ航空は2021年8月26日付けでワクチン未接種の社員に対し医療保険を200ドル(約2万2000円)上乗せすることを明かしています。

ワクチン未接種の社員に医療保険料 2万円上乗せ 米デルタ航空 | 新型コロナ ワクチン(世界) | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210826/k10013223841000.html


デルタ航空のエド・バスティアンCEOは「COVID-19に感染して入院した患者の平均入院費は5万ドル(約550万円)でした。この追加料金は、ワクチン接種を行わないという決定が当社にもたらす経済的リスクに対処するために必要です。ここ数週間、B.1.617.2変異株(デルタ株)が急増する中で、COVID-19で入院した当社の従業員は全員2回のワクチン接種を終えていませんでした」と述べています。医療保険料の上乗せに加え、2021年9月30日以降は、ワクチン未接種の従業員がCOVID-19の感染で仕事を休む場合に賃金保護が適用されないとのことです。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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