評価額3500億円でビットコインインフラ企業「Blockstream」が資金調達に成功したと発表、ユニコーン企業の仲間入りへ
ビットコインやブロックチェーン技術のインフラストラクチャー企業であるBlockstreamが2021年8月25日に、評価額32億ドル(約3500億円)で2億1000万ドル(約230億5000万円)を調達したと発表しました。これにより同社は、評価額が10億ドル(約1000億円)以上のテクノロジー企業に送られる「ユニコーン企業」の称号を獲得しました。
Blockstream 2.1億ドルを調達、ASIC開発に参入へ|Blockstream Corporationのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000029896.html
Blockstream Secures $210M Series B Financing
https://blockstream.com/2021/08/24/en-blockstream-secures-210m-series-b-financing/
イギリスの暗号資産研究者であるアダム・バックCEOが2014年に起業したBlockstreamは、カナダのビクトリアに拠点を置くブロックチェーン企業です。同社は、2014年に2100万ドル(約23億円)のシード資金を調達してビットコインのサイドチェーンであるLiquid Networkや、ブロックチェーン外で決済を行う送金手法であるライトニングネットワークの開発を行ったほか、2016年にはシリーズAラウンドで5700万ドル(約62億円)を調達することに成功しています。また、2017年に人工衛星を使って世界中のどこからでもビットコインが利用できる「Blockstream Satellite」を開始するなど、これまで多くのビットコイン関連インフラを手がけてきました。
人工衛星を使って世界中のどこからでもビットコインが利用できる「Blockstream Satellite」 - GIGAZINE
Blockstreamは今回、投資会社のBaillie Giffordや暗号資産取引所・Bitfinexの運営会社であるiFinexが主導してとりまとめたシリーズBラウンドにより、評価額32億ドルで2億1000万ドルの資金を調達することに成功しました。カナダの日刊紙・The Globe and Mailによると、評価額が10億ドルを超えたことでユニコーン企業に加わったカナダ企業は、新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以来、Blockstreamで15社目とのことです。
調達した資金は、Liquid Networkの拡充や、再生可能エネルギーでマイニングを行うサービスであるBlockstream Energyの推進に用いられます。
また同社は、イスラエルのマイニング機器メーカーであるSpondooliesを買収してASICの専門部署を発足し、2022年までにエンタープライズ向けのマイニングソフトをローンチする予定としています。
Baillie Giffordの投資マネージャーであるアレン・ファリントン氏は発表声明の中で、「Blockstreamへの投資を通じて、マイニングの推進やLiquid Networkの開発に携われることを光栄に思います。私は、Liquid Network上でトークン化された金融資産には、資本市場の構造に変革をもたらす可能性があると確信しています。また、ビットコインの発展による金融インフラの分散化や投資の民主化を実現させるため、Blockstreamと緊密に協力していけることを楽しみにしています」とコメントしました。
また、Bitfinexの最高技術責任者(CTO)を務めるパオロ・アルドイーノ氏は「Blockstreamは、過去7年間にわたりビットコインの構築に携わってきたことで、今やビットコインのイノベーションの最前線に位置する企業となりました。Blockstreamが持つさまざまな技術が持つ可能性は明らかなので、Blockstreamとの連携により世界に革命的なインパクトを与えるサービスを市場投入するのが楽しみです」と述べています。
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