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「12カ月後にBitcoinの本格的な普及が始まっても驚かない」と語る大手取引所「Coinbase」の理念と今後のサービス展開とは?


仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は相場が乱高下する激動の2014年を終えて、2015年は相場が落ち着きつつあります。そんなビットコインの売買や決済を仲介するビットコイン取引所大手の「Coinbase」が、ビットコイン情報サイトのZapChainの取材に対して、「Coinbaseの理念」や「サービス内容」、「今後の取り組み」などについてを説明しています。

A rare look inside of Coinbase, one of the fastest growing bitcoin companies in the world. — ZapChain Magazine — Medium
https://medium.com/zapchain-magazine/a-rare-look-inside-of-coinbase-one-of-the-fastest-growing-bitcoin-companies-in-the-world-bfb5219f1ed4

◆Coinbaseとは?
CoinbaseはAirbnb出身のブライアン・アームストロング氏が創業したビットコイン取引所です。アームストロング氏は仮想通貨ビットコインの先進性にいち早く気づき、すぐにAndroid OS用のビットコインウォレットアプリを開発。そして2012年にビットコイン取引所のCoinbaseを設立しました。その設立理念は「ビットコインをより多くの人や企業が簡単に売買できるようにすること」。

タブレットでCoinbaseアプリを使うアームストロング氏。


Coinbaseは創業以来、着実に成長を続けており、Mt.Goxの破綻によって動揺するビットコインコミュニティにおいてもリーダーシップを発揮して業界を牽引し、2015年1月には世界で初めての「アメリカ政府公認の」ビットコイン取引所「Coinbase Exchange」をオープンさせ、全米24州でビットコイン売買サービスの仲介をスタートさせています。

ついに政府公認Bitcoin取引所が誕生、Bitcoinの本格普及にはずみ - GIGAZINE


ビットコイン取引所としての先駆者のCoinbaseは、顧客のビットコイン売買の仲介をすると同時に、顧客のビットコインを管理するウォレットサービスを提供しています。顧客は米ドルでビットコインを購入してCoinbase口座に保管しつつCoinbaseのアプリを通じて支払いに使ったり、Coinbaseの取引所で売買したりできます。なお、Coinbaseはビットコイン購入時に購入金額の1%を手数料として徴収する以外は、Coinbaseアプリでの取引や決済は無料となっています。

Coinbaseは創業以来、Yコンビネータユニオン・スクエア・ベンチャーズアンドリーセンホロウィッツなどの名だたるベンチャーキャピタルから資金を調達してサービスを拡大し、現在、世界24カ国でのサービスを提供中ですが、記事作成時点では日本でのサービス開始予定は未定です。


◆Coinbaseの理念
・規制の必要性
Mt.Goxの消滅騒動や違法取引サイト「シルクロード」などのおかげで、「いかがわしいもの」というイメージがつきまとうビットコインですが、Coinbaseはより多くの人にビットコインを普及させるために、厳格なルールに基づいて運営しているとのこと。例えば、すでにCoinbaseのウォレットアプリはDELLやExpediaの決済で使えるようになっていますが、今後もギャンブルへのビットコインの使用は許されないなど、使用条件を定めているとのこと。「より大きく成長し、より多くの人にビットコインが普及するために、ある種の規制は必要である」というのがCoinbaseの考えで、世界でいち早く政府の監督下でのビットコイン売買サービスをスタートさせたのも、この考えによるものだそうです。

・分散と集中
分散型のデジタル通貨であるビットコインですが、「集中」させることの必要性をCoinbaseは認識しているとのこと。中央集権的な通貨発行権限を持たない「分散」的な特性がビットコインの最大の魅力であるところ、決済をより安全に確実に行うためにはウォレット口座への「集中」が必要で、最高度のセキュリティを施すことが必要であるとCoinbaseは考えています。

また、多額のビットコインが集まるビットコイン取引所はハッカーの格好のターゲットとして狙われ続ける宿命を背負っているわけですが、Coinbaseも過去に度重なるハッカーからの攻撃を受け続けながらも、システムアップデートを繰り返して攻撃をしのいでいます。なお、Coinbaseは顧客から預かるビットコインの98%をオフラインウォレット(コールドウォレット)に保管しており、安全面へ配慮しつつ、さらには保険をかけるなどの手立てを講じているとのこと。

・代替通貨探し
Coinbaseの目的は「ビットコインの普及」ですが、究極の目的は世界中の人が安全かつ簡単に決済ネットワークにアクセスできること。そのため、ビットコイン以上に世界規模の決済ネットワークにふさわしい仮想通貨が現れた場合は乗り換えることもあり得ます。仮想通貨Litecoinの作者をCoinbaseに迎え入れたのもこの動きのひとつ。もっとも、他の仮想通貨の動向を注視していますが、ビットコインを上回る支持を集める仮想通貨の登場の可能性は現時点では低いとCoinbaseは考えています。


◆Coinbaseの今後
Coinbaseはこれまで「ビットコインの普及」を最も重要視してきたため、Coinbaseの売買サービスでは単純な売り買いに限定しての世界展開を行ってきたとのこと。しかし、世界中のトレーダーからより高機能な売買ツールの提供を求められているそうで、相場動向の分析ツールや多様な決済オプション機能の追加を検討中です。


さらに、ビットコインの取引手数料の小ささを武器に、より小額の決済(マイクロペイメント)で利用できるAPIアプリの開発にも意欲的とのこと。そして、過去に普及してきたテクノロジーはすべて、その普及段階に入る際にはウェブ、ラジオ、テレビなど各種メディアでのマーケティング活動が開始されてきたのですが、ビットコインにも同様の傾向が見られ、同じような普及段階への突入がこれから12カ月から18カ月の間に起こったとしてもまったく驚くことではないと、ビットコインのさらなる普及をCoinbaseは想定しています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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