GoogleとYouTubeが著作権侵害コンテンツ削除を拒否したという報告

Googleはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)にもとづく削除申請を受け付けており、著作権侵害の可能性のあるコンテンツを報告すると検索結果の順位が下がったり表示されなくなったりします。しかし、権利者がGoogleにDMCA通知を繰り返し提出したところ、海賊版の削除を拒否されて複雑な手続きを要求されたという報告が上がっています。
Google Broke My Heart | Perishable Press
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ウェブ開発者で書籍著者でもあるジェフ・スター氏は、新刊を出版した後に検索結果を監視し、海賊版がリストアップされるたびにGoogleにDMCA通知を提出することで海賊版への対策をしていました。Googleは海賊版対策に精力的で、スター氏が送ったDMCA違反報告には迅速に対応してくれたそうです。
しかし、2025年後半に従来通りのDMCA違反報告から海賊版を検索インデックスから削除するよう依頼したところ、Googleから「問題のコンテンツについて、著作権削除リクエストを提出する権限があるかどうか不明です。著作権者またはその代理人のみが著作権削除リクエストを提出できます。コンテンツが著作権を侵害していると虚偽の主張をした場合、損害賠償(費用および弁護士費用を含む)を請求される可能性がありますのでご注意ください」という返答が送られてきたとスター氏は述べています。

スター氏は「DMCAリクエストの検証プロセスが新しくなったのかも」と想像し、Googleに対し「私は本の著者です。何か他に情報が必要でしたらお知らせください」と身元を証明する方法をGoogleに尋ねました。しかし、Googleからは「あなたは問題のコンテンツの作成者ではないと思われるため、どのようにしてあなたが問題のコンテンツの著作権を所有するようになったのかは不明です。著作権所有を主張する根拠を詳しく説明してください」と返信があり、身元の証明を待たずにスター氏を権利者ではないと決めつけたとのこと。
その後改めて自身が著者である旨を説明した長文の連絡を送りましたが、Googleは最終的に「現時点では、Googleは当該URLに対して措置を講じないことを決定しました」と返信してきたそうです。スター氏はかつてのGoogleの迅速な対応に満足していたため、「あの頃の親切なGoogleはどこへ行ってしまったのでしょうか」と失望を語っています。
同様のDMCA違反報告が無視されるケースはYouTubeでも報告されています。以下は、弁護士の情報を伝えるYouTubeチャンネルのLegalEagleが投稿したムービーで、LegalEagleのコンテンツを違法転載して多くの再生数を獲得しているチャンネルを報告した経緯について語っています。
So I Got Into a Fight with YouTube... - YouTube

LegalEagleによると、YouTube上にLegalEagleの動画を背景だけ変えて丸ごとアップロードしなおしたようなチャンネルが複数設立されているそうです。チャンネルにはLegalEagleのコンテンツのほか、LegalEagleを運用する弁護士であるデビン・ジェイムズ・ストーン氏の写真や名前がチャンネルのヘッダー等に使われています。

偽チャンネルの存在はRedditやBlueskyを通してLegalEagleに伝えられたほか、視聴者から「YouTubeに通報した」という報告もありました。しかし、YouTubeは視聴者による複数の通報には対応せず、偽チャンネルはしばらくそのままになっていました。

そこでLegalEagleは、弁護士としての経験を生かした証拠の文書を作成し、権利者としてYouTubeに問題を報告しました。YouTubeはそれに対し「YouTube Studioの著作権一致ツールを使用する」もしくは「著作権を侵害しているすべてのURLを記載したメールを送信する」ことを要求し、すぐに削除対応はしませんでした。偽チャンネルのムービーはツールの検知を回避する形で作られており、数百のムービーがコピーされているため全てを記載するのは難しかったとLegalEagleは述べています。LegalEagleは改めて「ツールは機能しない、全ての動画およびチャンネルの商標でも著作権を侵害している」とYouTubeに報告しましたが、YouTubeは同じように権利者であることを証明することを含む複雑な手続きを要求してきました。

その後も繰り返しやりとりしましたが、YouTubeは偽チャンネルが詐欺だというLegalEagleの主張を認めることなく、より詳細な情報を提出するよう要求し続けました。LegalEagleは「一度偽チャンネルを見れば、LegalEagleをコピーしたおかしいムービーや私の写真が使われていることが分かるはずなのに、YouTubeはそれすらしていない」と怒りを述べています。

最終的に、LegalEagleはかなりの時間をかけて偽チャンネルの動画をリストアップしYouTubeに送りました。するとYouTubeのパートナーサポートから「チームがチャンネルを精査した結果、コミュニティガイドラインに違反していると判断しました」と返信がありました。返信に記載されていた違反の内容はLegalEagleがずっと主張していたのに無視されていた内容そのものだったため、LegalEagleは「なぜ今までの主張は無視されていたのか」とYouTubeに問い合わせたところ、YouTubeは「コミュニティガイドラインを順守するため徹底的な調査に取り組んでいます」と返すのみで、LegalEagleは対応に強い不満を表明しています。

DMCA違反報告に複雑なプロセスが必要になっている理由は不明ですが、スター氏は「トレーニングデータに飢えたAIモデルを訓練するために、海賊版書籍を何でも手に入れたいようです」とGoogleを非難しています。
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