メモ

農機具メーカーのディア・アンド・カンパニーが「修理する権利」の訴訟で15億円以上の和解金を支払う


「ジョン・ディア」のブランドで知られる農機具大手のディア・アンド・カンパニーが、農家に独自の修理を許さなかった件についての集団訴訟で9900万ドル(約15億6000万円)の和解金を支払うことに合意しました。

John Deere to Pay $99 Million in Monumental Right-to-Repair Settlement
https://www.thedrive.com/news/john-deere-to-pay-99-million-in-monumental-right-to-repair-settlement

John Deere settles right-to-repair lawsuit for $99 million
https://www.farmprogress.com/farming-equipment/john-deere-settles-right-to-repair-lawsuit-for-99-million

ディア・アンド・カンパニーのような一部大手企業は消費者が無許可で製品を修理することを許さず、パーツの流通やソフトウェアの改造を制限しています。これによりユーザーは公式の修理サービスに頼らざるを得なくなるため、自力で修理するよりも高額な費用が必要になることがあります。


こうした問題は農機具に限らずPCや自動車など各方面で騒がれており、ユーザーの「修理する権利」の確立を求める声が上がっています。

農家は自らが所有するトラクターの修理のために「ハッキング」を行わざるを得なくなっている - GIGAZINE


2022年、ディア・アンド・カンパニーが本社を置くアメリカのイリノイ州で集団訴訟が提起されました。原告は農家グループで、「ディア・アンド・カンパニーは農家や独立系修理業者にとって不可欠なソフトウェアや修理ツールを意図的に利用できないようにし、修理サービス市場を独占して価格をつり上げた」と訴えていました。

2026年4月、この訴訟で両者が和解に至り、ディア・アンド・カンパニーが集団訴訟に参加した農家や個人のための基金に9900万ドルを支払うことに合意しました。この資金は2018年1月からディア・アンド・カンパニーの正規ディーラーに大型機器の修理代を支払った関係者が利用できるとのことです。

この合意には和解金の支払いに加え、農家や独立系修理業者が正規ディーラーに頼ることなく修理するためのツールをディア・アンド・カンパニーが10年間提供することも含まれています。なお、ディア・アンド・カンパニーは「修理する権利」を認める方針について2023年に全米農業連盟と合意していました。

「修理する権利」を認める合意書に農機具メーカーのジョン・ディアが署名、認定ディーラーで修理を数週間待つ状況が改善か - GIGAZINE


ディア・アンド・カンパニーは「不正行為を認めるものではない」とコメントしました。

裁判で提出された資料によれば、9900万ドルという額は請求額の26%〜53%に相当し、類似の事例で支払われる5%〜15%を大きく上回っているそうです。

消費者の利益擁護団体である公益研究グループは「最も重要なことは、農家が自分の農機具を修理できることです。ディア・アンド・カンパニーが修理の障壁を取り除くためにどのような取り組みを行うのか、楽しみにしています。そして、すべての農機具メーカーが農家を公平に扱うよう、今後も働きかけを続けていくことをお約束します」と述べました。


この件が報じられた後、「ディア・アンド・カンパニーがイリノイ州から製造拠点を移転する」というウワサがまことしやかにささやかれたため、ディア・アンド・カンパニーが「これはAI生成コンテンツによる情報で、事実ではない」と発表するに至っています。

Setting the Record Straight: John Deere Is Not Leaving Illinois
https://www.deere.com/en/stories/featured/illinois-operations/

なお、ディア・アンド・カンパニーはアメリカの連邦取引委員会とも係争中で、同様に「修理する権利」を制限して修理費用をつり上げたとして問題視されています。

修理用ソフトウェアツールの利用を正規ディーラーに限定して不当に修理費を引き上げたとしてFTCが農業機械メーカーを提訴 - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ガレージドア開閉装置を制御する権利を求めて闘う男とは - GIGAZINE

ブラザーのレーザープリンターがファームウェアアップデートで互換インクを排除し始めたとの報告、ブラザーは「虚偽」と反論 - GIGAZINE

修理に数千万円の費用がかかる医療機器のメーカーが「今後病院側の勝手な修理は許さない」と発表、修理する権利に反するものだとして話題に - GIGAZINE

たった3000円の部品の修理を拒否されて1500万円の医療機器が丸ごと使用不能になった元騎手の話 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article Agricultural machinery manufacturer Deer….