「OpenAIを非営利団体として維持するという誓約をサム・アルトマンCEOが破った」とイーロン・マスクが非難し1340億ドルの損害賠償を請求

TechCrunch and U.S. Air Force / Trevor Cokley
イーロン・マスク氏とOpenAIのサム・アルトマンCEOをめぐる法廷闘争が、カリフォルニア州オークランドの連邦裁判所で本格化します。マスク氏は、OpenAIとアルトマンCEO、グレッグ・ブロックマン社長が「AI研究組織を恒久的に非営利団体として維持する」という誓約を破ったと主張し、1340億ドル(約21兆3400億円)規模の損害賠償を求めています。
US judge dismisses Musk's fraud claims in OpenAI case at his request, plans to proceed to trial | Reuters
https://www.reuters.com/world/us-judge-dismisses-musks-fraud-claims-openai-case-plans-proceed-trial-2026-04-24/
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https://www.cnbc.com/2026/04/24/musk-v-altman-trial-openai-lawsuit-xai.html
OpenAIは2015年、マスク氏とアルトマン氏らによって設立された組織です。当初の構想は、Googleなどの巨大テック企業に対抗し、強力なAIを一企業の独占物にせず、人類全体の利益に資する形で開発するというものでした。New York Timesによると、アルトマン氏は2015年5月にマスク氏へ「AIのマンハッタン計画」を提案し、強力なAIを作る研究所を「何らかの非営利団体」を通じて世界と共有する構想を示していました。
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しかし、OpenAIの内部では2017年ごろから、最先端AIをオープンソースで公開すること自体が危険ではないかという見方が強まっていたとのこと。同時に、非営利団体のままでは人間の知的能力に匹敵する汎用人工知能(AGI)の開発に必要な資金を集められないという懸念も広がっていたそうです。
マスク氏とOpenAI側の対立が決定的になったのは2018年です。マスク氏はOpenAIをテスラに結び付け、テスラが開発するスーパーコンピューターを使ってAIを構築する案を示しましたが、アルトマン氏らがマスク氏に経営権を渡すことを拒んだため、マスク氏はOpenAIを去り、資金支援も打ち切ったとされています。
その後、アルトマン氏は非営利団体の下に営利子会社を接続する形でOpenAIの資金調達を進めました。OpenAIはMicrosoftから130億ドル(約2兆円)を調達し、技術のオープンソース化も限定するようになっていきます。
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マスク氏は訴訟で、アルトマン氏とブロックマン氏が「営利目的の巨大IT企業よりも安全で開かれたAI開発の道を進む」と約束しながら、自身を意図的に操り、だましたと主張しています。マスク氏側は、OpenAIへの寄付はそうした約束に基づくものだったとし、OpenAIの非営利部門に不当に奪われた利益を戻すべきだと訴えています。
一方、OpenAI側はマスク氏の主張を全面的に否定。OpenAIは「マスク氏自身も2018年にOpenAIを商業的な組織へ作り替えようとしていた」と反論し、裁判資料に出ている2017年の文書ではマスク氏側がOpenAIの営利版とみられる企業を登録していたことも示されていると主張しています。
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経済メディアのCNBCによると、OpenAIは2024年に一時、非営利団体から支配権を切り離す形で完全な営利企業へ移行する案を検討していたとのこと。しかし、市民団体や元従業員、マスク氏らの圧力を受けて方針を変更し、10月には非営利団体が営利事業の支配持分を持つ構造を固める再資本化を完了したそうです。
裁判では、マスク氏、アルトマン氏、ブロックマン氏に加え、Microsoftのサティア・ナデラCEOらも証人として名前が挙がっています。審理は責任の有無を判断する段階と、損害賠償や救済措置を決める段階に分けられ、9人の陪審員が責任段階について判断を示すものの、その評決は助言的な位置づけで、最終判断は判事によって下されます。
今回の裁判は、OpenAIとマスク氏の個人的対立にとどまらず、AI開発競争の行方にも影響し得るものとみられています。OpenAIはIPOを視野に入れており、訴訟を事業上のリスクとして投資家向け資料に記載しています。一方のマスク氏もOpenAIの競合であるxAIを立ち上げ、さらにSpaceXと統合しており、AI市場の覇権、資金調達、企業統治をめぐる争いが法廷で正面から問われることになります。
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in AI, Posted by log1i_yk
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