ハードウェア

Samsungのスマートウォッチ「Galaxy Watch4/Watch4 Classic」が発表


Samsungが2021年8月11日に開催した新製品発表イベントGalaxy UNPACKED 2021の中で、新型スマートウォッチの「Galaxy Watch4」と「Galaxy Watch4 Classic」を発表しました。

Galaxy Watch4 and Galaxy Watch4 Classic: Reshaping the Smartwatch Experience – Samsung Global Newsroom
https://news.samsung.com/global/galaxy-watch4-and-galaxy-watch4-classic-reshaping-the-smartwatch-experience

5 things to try with Wear OS on the Samsung Galaxy Watch4
https://www.blog.google/products/wear-os/galaxy-watch4

Samsungが発表したGalaxy Watch4シリーズは、Galaxy Watch4とGalaxy Watch4 Classicの2つ。搭載OSはGoogleと共同開発したWear OS Powered by Samsungで、これはGoogleの開発してきたスマートウォッチ向けOSであるWear OSと、Samsungのモバイル向けOSであるTizenを統合したものです。左のベゼル部分に金属フレームが載せられているのがGalaxy Watch4 Classicで、右のベゼル部分に何もないのがGalaxy Watch4。


Galaxy Watch4シリーズにはSamsungの画期的なBioActiveセンサーが搭載されており、測定精度を損なうことなくより小型でコンパクトなデザインを実現しています。BioActiveセンサーは単一のチップを使用し、「光学的心拍数測定センサー」「電気的心臓センサー」「生体電気インピーダンス分析センサー」という3つのセンサーを実行できる3-in-1センサーになっています。このBioActiveセンサーにより、Galaxy Watch4ではユーザーの血圧を測定したり、心房細動を検出したり、血中酸素濃度を測定したり、体組成を計算したりできます。体組成の計算には骨格筋・基礎代謝率・体水分・体脂肪率といったデータのほか、本体側面にある2つのボタンに中指と薬指を当てることで検出できる2400種類ものデータポイントが利用されるとのこと。


スマートウォッチらしく幅広いガイド付きのワークアウトを実施したり、友達や家族と一緒に運動チャレンジに挑戦したり、Galaxy Watch4シリーズと互換性のあるSamsung Smart TVに接続してホームジムを体験したりすることも可能。ホームジム機能ではカロリー消費数や心拍数が画面上に表示され、自身の状況を確認しながら運動が楽しめます。

また、Galaxy Watch4シリーズではユーザーの睡眠パターンを記録し、睡眠の質を定量化する睡眠スコアを利用できます。互換性のあるスマートフォンの場合はユーザーのいびきを検出し、スマートウォッチが睡眠時に血中酸素濃度を測定することで、より高度な睡眠スコアを算出することも可能。


また、Wear OS Powered by SamsungとOne UI Watchの組み合わせによりこれまでにないレベルでスマートウォッチとGalaxy端末のユーザーエクスペリエンスがシームレスに一体化します。例えば、One UI Watchを使用すれば互換性のあるアプリがスマートフォンにインストールされた場合に、スマートウォッチ側にも当該アプリが自動でインストールされ、重要な設定(発信者のブロックなど)が即座に同期されます。

他にも、「Auto Switch」という機能を使えばスマートフォンとスマートウォッチの間でオーディオの切り替えが簡単にできるようになります。さらに、Samsung独自の音声認識アシスタントであるBixbyを利用して、端末をコントロールすることも可能。加えて、「腕を上下に2回動かして電話に出る」「手首を2回回転させて電話を拒否する」といったジェスチャーコントロールにも対応しています。


Galaxy Watch4シリーズはGalaxy Watchとしては初の5nmプロセッサとなる「Exynos W920デュアルコア(動作周波数帯:1.18GHz)」を搭載しており、前モデルと比べて20%高速なCPUと、50%多い1.5GBのRAM(メモリ)、10倍高速なGPUを搭載しています。ディスプレイの解像度は450×450ピクセルで、ストレージは16GB。また、eSIM対応なのでスマートフォンがなくても単体で利用可能です。バッテリー持続時間は最大40時間で、1泊の旅行などなら充電なしでも十分にバッテリーが持ちます。また、30分の充電で最大10時間の利用が可能な、急速充電にも対応しています。


また、Googleの開発するWear OS搭載端末となるため、Googleアプリとの連携もより密になっています。GoogleはGalaxy Watch4シリーズでは「スマートウォッチ上のGoogleマップでのナビゲート」「Messages by Googleアプリを用いたスマートウォッチだけでのメッセージのやり取り」「Google Payを用いた支払い」「YouTube Musicを用いたお気に入りの曲をダウンロードしての再生」「Google Playからインストールできるサードパーティーアプリの体験向上」と言ったことに取り組んでいるとアピールしています。


Galaxy Watch4シリーズは2021年8月11日から一部の市場で予約受付開始で、発売日は8月27日を予定しています。Galaxy Watch4は本体カラ―がピンクゴールド・シルバー・ブラックの3色展開で、本体サイズが40mmと44mm、販売価格はBluetooth版が249.99ドル(約2万8000円)から、LTEモデルが299.99ドル(約3万3000円)からです。Galaxy Watch4 Classicは本体カラ―がグリーン・シルバー・ブラックの3色展開で、本体サイズが42mmと46mm、販売価格はBluetooth版が349.99ドル(約3万9000円)から、LTEモデルが399.99ドル(約4万4000円)からです。


なお、海外メディアからGalaxy Watch4シリーズのレビュー記事も続々登場しています。

The Vergeは「これまでのSamsung製のスマートウォッチとの最大の違いは、Galaxy Watch4シリーズが独自OSのTizenで動作しているわけではないという点です。代わりに、Samsungは2021年5月に発表したGoogleとのコラボレーションの結晶であるWear OS Powered by Samsungを採用しています」と記し、Googleのエコシステムを活用することになった点を歓迎しています。なお、The VergeによるとWear OS Powered by SamsungをGoogleはWear OS 3と呼んでいる模様。

ただし、The Vergeは「私がGalaxy Watch4シリーズを試用した少しの時間では、バッテリー寿命の向上やアプリの読み込みの高速化といった改善を確認することができませんでした」とも記しています。それでも、「SamsungのスマートウォッチはこれまでAndroidスマートフォンユーザーに推奨されてきたスマートフォンですが、Samsungが独自のソフトウェアを使用していたため、限界を感じざるを得ませんでした。特にSamsungはサードパーティーアプリの対応に苦労しており、Samsung製のスマートフォンでなければスマートウォッチが十分に効果的に動作しないという問題もありました。こういった問題は、Googleとのコラボレーションにより解決されることとなります」と記し、今回のGoogleとのコラボレーションによりAndroidユーザーにとってはより魅力的なスマートウォッチになったはずとしています。

The Galaxy Watch 4 injects Samsung’s capable hardware with Google software - The Verge
https://www.theverge.com/22618532/galaxy-watch-4-classic-smartwatch-fitness-tracker-price-specs-features


Engadgetは「新しいWear OSを搭載したGalaxy Watch 4シリーズは基本的にTizenのようなUIをしており、違いはほとんどありません。私が気づいた主な変更点は、時計を横にスワイプした時に表示されるページの1つであった『すべてのアプリ』画面が、ホーム画面を引き上げるようにスワイプすることでアクセスするようになったことです」と記し、基本的なUIおよびユーザーエクスペリエンスはTizenから大きな変更はないと指摘。

また、Galaxy Watch 4シリーズの体組成測定機能に「興奮している」としながらも、Apple Watchに取って代わる存在になるかは「まだ確信できていない」としています。加えて、「間違いなくAndroidユーザーにとっては最高のスマートウォッチですが、(スマートウォッチ全体でみれば)それほど高い水準ではありません」とも記しています。

Galaxy Watch 4 and Watch 4 Classic hands-on: Worry not, Tizen fans | Engadget
https://www.engadget.com/galaxy-watch-4-hands-on-price-specs-availability-wear-os-tizen-body-composition-fat-scan-140031859.html


Android Centralは「Wear OSはGoogleのモバイル体験の未来に必要不可欠な存在であり、初期の兆候としてはSamsungが完璧なパートナーであることは明らかです。しかし、Galaxy Watch4シリーズは、来年リリース予定の数十種類あるWear OS搭載スマートウォッチのひとつに過ぎず、Googleでさえ、2021年後半にPixelWatchを発売する予定です。そのため、One UIでGalaxy Watch4シリーズのUIをスタイリングすることで、TizenとWear OSの視覚的および機能的な連続性を維持するというSamsungの決定が、最終的に正しい決定となるかはまだわかりません。しかし、SamsungのスマートウォッチでGoogleのサービスやWear OSアプリ、Googleアシスタントを実行できるという事実は、GalaxyユーザーがSamsungの端末を使い続ける理由のひとつとなるかもしれません」と記しました。

Samsung Galaxy Watch 4 & Watch 4 Classic hands-on: Fresh start | Android Central
https://www.androidcentral.com/samsung-galaxy-watch-4-watch-4-classic-hands

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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