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Twitterで人種差別をしていたアカウントの99%が匿名ではなかったことが判明


Twitterがイギリス向けのブログで、「2021年7月に開催されたUEFA EURO 2020の決勝で、敗北したイングランド代表チームに所属する黒人選手3人に対して誹謗(ひぼう)中傷を行ったために凍結したアカウントの99%が匿名アカウントではなかった」ということを明らかにしました。

Combatting online racist abuse: an update following the Euros
https://blog.twitter.com/en_gb/topics/company/2020/combatting-online-racist-abuse-an-update-following-the-euros

Bulk of racist abuse after Euro soccer final sent from U.K. accounts, Twitter says
https://www.nbcnews.com/tech/social-media/british-accounts-sent-bulk-racist-abuse-during-euro-2020-final-n1276432

TwitterはUEFA EURO 2020に先だって、運営しているUEFA(欧州サッカー連盟)と協力し、イングランドチームのみならずUEFA EURO 2020に関連した人種差別的なツイートを迅速に特定し、削除する計画を立てていたとのこと。


そして2021年7月11日に開催された決勝戦となるイタリア対イングランド戦は、1-1のままPK戦にもつれ込み、結果としてイングランドは敗北を喫し、優勝を逃しました。試合後、決勝戦でPKを失敗したイングランド代表の黒人選手3人に対して、インターネット上で人種差別的な誹謗中傷ツイートが集中しました。

ユーロ2020の決勝で敗退したイングランド代表の黒人選手たちが人種差別の被害に - GIGAZINE


Twitterによると、決勝戦がスタートしてから一晩で1622件のツイートが、7月14日までの3日間で1961件のツイートが削除され、それにともなってアカウントも削除されたとのこと。ただし、ユーザーからの報告によって削除されたのはそのうちわずか126件でした。

また、削除されたアカウントの99%は匿名アカウントではなく、本人が特定できるアカウントであることがわかりました。つまり、ネットの人種差別的な誹謗中傷は、匿名の人種差別主義者だけが行っているのではなく、自分の実名をさらしてSNSを使う人も行う可能性が十分あるということが示されたわけです。


なお、イギリスのサッカーイベント関連の暴力事件や反社会的行動を取り締まるUK Football Policing Unitによれば、同時期に行われたソーシャルメディア投稿のうち「犯罪」と見なされたものは207件で、そのうち34件はイギリスのアカウントから、123件はその他の国のアカウントからのものでした。また、2021年8月5日時点で、UEFA EURO 2020の決勝戦関連は18歳から63歳までの11人が逮捕されています。

Twitterは「人種差別的な行動は、Twitterでイギリスのサッカーに関する活気ある会話に参加する大多数の人々を反映したものではありません」と述べています。また、「批判的なことをいえば、決勝戦の翌日にイングランドチームの支持を表明する人たちは、2021年のどの日よりも『誇り』という言葉を多く使っていました」とコメントしています。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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