馬は人間の汗を嗅いで恐怖心を感じ取る

馬は人間の気持ちを感じ取ることができるとよくいわれます。新たな研究で、馬は汗の匂いを嗅ぐことで人間の恐怖心を感じ取っていることが明らかになりました。
Human emotional odours influence horses’ behaviour and physiology | PLOS One
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0337948
「匂い」は動物のコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす要素です。尿の匂いを嗅いで性的魅力を覚えたり、捕食者の体臭を感じて恐怖心を覚えたりする動物などが観察されていますが、こと人間においては未知の部分も多く、特に人間と他の動物が接するときに匂いがどう作用しているのかはあまり分かっていません。
フランスにあるトゥール大学の研究者らは、馬が人間の表情を読み取っているなどの先行研究があることから、馬には高度な認知能力があると考え、馬が人間の匂いをどのように感じているのかを観察することにしました。
研究者らは、ホラー映画「フッテージ」をボランティア30人に鑑賞中させ、脇にコットンパッドを当てて汗を収集。人間が恐怖を感じたときの汗のサンプルとしました。同様に同じボランティアへ「雨に唄えば」のダンスシーンなどを見せ、喜びを感じたときの汗のサンプルを収集しました。
Singin' in the Rain (雨に唄えば , Singin' in the Rain Theme song) - YouTube

次に、研究者らは43頭の馬に口輪を付け、その中にコットンパッドを入れました。続いて「人間が馬にグルーミングする」「人間が馬の近くに立つ」「餌を食べている馬のそばで突然傘を開く」「馬にとってなじみのない物体を近くに置く」という4つの行動を行い、馬がどのように反応するかを調べました。

その結果、恐怖の汗を嗅いだ馬は神経質になり、見知らぬ物体を長く見つめ、最大心拍数が高くなり、人間に触れたり近づいたりする可能性が低くなることが分かったそうです。実験中、馬は人間の感情を視覚的に認識できなかったため、匂いからの影響を強く受けていたと考えられます。
なお、喜びの汗を嗅いだ馬と未使用のコットンパッドを嗅いだ馬の行動に有意な差は見られませんでした。研究者らは「肯定的なシグナルは否定的なシグナルよりも目立たない、あるいは他種属の『喜び』から得られる手がかりは『恐怖』に比べて複雑すぎるため、行動や生理機能に目に見える違いを生じさせなかった可能性があります」と考察しました。

研究者らは「異なる種が互いの感情的なシグナルに反応するように見え、人間が恐怖を感じると馬もネガティブな感情になるという類似性がある事実は興味深いです。これらの発見は異なる種のコミュニケーションへの理解にとどまらず、実用的な意味合いも持つかもしれません。例えば調教師が恐怖やストレスを感じると馬の行動に影響を与える可能性や、馬術競技や乗馬療法において人間の恐怖心が馬の反応を意図せず高め、事故のリスクを生じさせる可能性があります。今後は人間のシグナルを考慮した戦略の開発が進むと考えます」と述べました。
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in サイエンス, 生き物, Posted by log1p_kr
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