VRとスマホで痛みや不安を科学的に軽減する「Flowly」
「Flowly」は医学的手法によって痛みや不安から気をそらすことができるVRシステムです。Flowlyは家庭で手軽に使えるということと科学的な裏付けがあるということを念頭に作成されており、発表時点で開発者は保険適用対象とするための取り組みを行っています。
Flowly : your app for pain and anxiety
https://www.flowly.world/
Flowlyは神経系をリラックスさせる映像を視聴することで、痛みや不安をコントロールする方法を学べるというVRシステム。装着時にどのような映像を視聴できるかについては、以下のムービーで公開されています。
[In The Know] Celine Tien is rethinking pain management amid the opioid epidemic - YouTube
美しいオーロラを椅子に座りながら見つめたり……
花々が咲き乱れる湖畔に滞在することも可能。
スマートフォンや専用生体センサーを用いて使用時の心拍数や呼吸回数などのバイタルサインを集計し、効能測定も行えます。なお、ヘッドセットはiOSアプリと互換性のあるVRヘッドセットに限られます。
Flowlyを開発したCeline Tien氏によると、がんなどの重度の病が引き起こす体の痛みが肉体だけでなく、心理や社会にまで影響することを目の当たりにしたことから、薬に頼らずに痛みを軽減できるデバイスを発明しようと志したとのこと。Flowlyの各セッションでは、痛みに大きく関わる神経系をコントロールすることで、闘争・逃走反応のような交感神経が活発化している状態から副交感神経が活発化したリラックス状態に移行する方法を学べるそうです。Flowlyに関する研究は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)やアメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)の支援を受けており、南カリフォルニア大学と提携も行っているとのこと。
公式ページによると、セッション終了後に痛みが平均46%、不安が33%軽減すると記されていますが、iOSアプリのページには「効かない場合もあります」と明記されています。
Flowlyは記事作成時点ではiOSアプリのみの提供で、ベーシックプランが月額9.99ドル(約1110円)・年額59.99ドル(訳6690円)で、プロプランが月額29.99ドル(約3350円)・年額(約2万100円)。ベーシックプランでは360度視界のバイオフィードバックトレーニングコースの他、アプリ内のコミュニティアクセスなどが含まれており、プロプランではベーシックプランの内容に加えて専用VRキット&センサーが付属し……
さらに進行状況のデータ分析が可能です。
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