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抗うつ剤をやめる時に注意しなければならないこと

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うつ病に苦しむ人の中には何年間も抗うつ剤を服用する人もいます。しかし、抗うつ薬を服用している人、特に長期にわたって服用している人が急に薬をやめるとうつ病に逆戻りする危険性もあるとして、南オーストラリア保健医療研究所の上級研究員であるMichael Musker氏が注意を呼びかけています。

If you're coming off antidepressants, withdrawals and setbacks may be part of the process
https://theconversation.com/if-youre-coming-off-antidepressants-withdrawals-and-setbacks-may-be-part-of-the-process-114179

抗うつ剤には体重増加・疲労・性機能障害・不眠といった副作用があり、薬の服用をやめたいと考える人も多いはずですが、実際に抗うつ剤をやめた人の20%が抗うつ薬中断症候群に苦しんでいることがわかっています。抗うつ薬中断症候群は頭痛・体の痛み・発汗といったインフルエンザのような症状のほか、睡眠障害、いらつき、吐き気やおう吐、混乱、不安、興奮、バランスの喪失といった症状を呈するもの。

主治医のもとであればこのような症状は一週間ほどで治まることもありますが、場合によっては症状が深刻化してうつ病に逆戻りすることも。このため抗うつ剤の中止は、かかりつけの医者とともに計画的に行う必要があります。特にパロキセチンベンラファキシンといった抗うつ剤は禁断症状が伴う薬もあるので、注意が必要とのこと。


短期間で抗うつ剤を絶とうとするとうつ病を再発させる可能性があるため、アメリカ精神医学会はうつ病の症状が消えた後でも、再発防止のため数週間は抗うつ剤を飲み続けることを示唆しています。一般的に抗うつ剤をやめるプロセスは四週間かけて行われ、医師と患者との合意に基づき、患者の気分の変化を観察しつつ徐々に薬が減らされます。また過去の調査から認知行動療法(CBT)といった方法での介入も効果を発揮すると示されているとのこと。CBTは抗うつ剤をやめる段階で、一時間程度のセッションを十六週かけて行うものです。

薬を減らす段階で禁断症状などに苦しむことになれば、低用量の薬物治療に戻り、いったん薬を断つということを忘れた方がいいかもしれません。また減薬を行っている間は、うつ病によい影響を与えるといわれている、運動量の増加、睡眠習慣の見直し、炭水化物の少ない食生活、社会的活動や趣味に集中することなどを心掛けるとよいそうです。


減薬を行っている最中は、以下のようなチャートを利用して気分の上昇と下降を可視化して、標準を下回った「危険」サインを見逃さないようにすることが推奨されています。

Daily Mood Chart
https://www.blackdoginstitute.org.au/docs/default-source/psychological-toolkit/19-dailymoodchart.pdf

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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