メモ

なぜ材木の値段が爆上がりしているのか?

by Mike Mozart

2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行で、トイレットペーパーやマスクなど特定のアイテムの需要が異様に増加し、価格の高騰が起こりました。新たに高騰が確認されているのが「材木」で、その価格は1年で377%になっているとのこと。この値上がりにより、一軒家を建てた場合、高騰前に比べて3万6000ドル(約400万円)も追加費用がかかるようになっています。

Why is lumber so ridiculously expensive right now?
https://thehustle.co/why-is-lumber-so-expensive-right-now/

材木価格の高騰は2020年のCOVID-19流行を引き金に起こりましたが、問題の根本はさらに前、2007年~2009年のリーマン・ショックにまでさかのぼります。リーマン・ショックではサブプライム住宅ローン危機で住宅市場のブームが崩壊し、住宅建設の需要が激減しました。この結果、アメリカにおいて材木の需要は49%減となり、30余りの大規模な製材所がつぶれることになったとのこと。


これに加え、アメリカの材木供給の3分の1を担うカナダの山林では、複数の不運が重なりました。1つは、2000年代にキクイムシの被害を受け、ブリティッシュコロンビア州の材木の60%が販売できない状態になってしまったこと。そしてもう1つは2017年から2018年の山火事で多くの木が失われてしまったことです。


2020年までは住宅建築の需要は低いままだったので、材木の価格は継続的に落ちていきました。また投資家も下落傾向が続くと見ていたため市場も売り持ちの状態で、多くの製材所は事業を縮小する方向にありました。

しかし、記録的な抵当金利の低さや経済刺激策、そしてCOVID-19パンデミックによって自宅で過ごす時間が増加したことを受けて、予想とは反対に2020年に住宅リフォームや新たな建築の需要が急増し、1年で材木の価格が377%に急騰。これは第二次世界大戦後の住宅建築ブーム以来の急増とのこと。しかし、最新の製材機は高額な上に組み立てに2年を必要とするほか、労働者の数を急に増やすことも困難であるため、2020年まで縮小傾向にあった製材所はすぐに需要を満たすことができませんでした。

需要と供給の不均衡から、MFBMあたり200~300ドル(約2万2000~3万3000円)だった材木は、2021年5月には何と1670ドル(約18万3000円)を記録しました。


このため平均的な一軒家を建築した場合の最終的なコストが3万6000ドル(約400万円)上がる結果に。新築マンションの賃料で考えると、月119ドル(約1万3000円)の追加コストが発生することになります。


材木の価格がいつ元に戻るかという予測は専門家によって分かれているとのこと。一方、市場データは、材木に関する「買い」のサイクルが9~41カ月であることを示しており、2021年6月時点で「買い」時期は11カ月目であることから、まだしばらくはこの状況が続くと考えられています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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